いちごをランナーから自分で増やして定植する場合、「定植したい株数と同じ本数だけ苗を用意すればいい」と思いがちです。結論からいうと、それでは足りなくなることがあります。
理由は単純で、育苗中にすべての苗が同じペースで育つわけではないためです。根の張りが弱い苗やクラウンが細いままの苗は、定植のタイミングで見送る対象になります。丹羽いちご園でも、必要な株数ぴったりでは用意していません。
この記事でわかること
- 必要な株数ぴったりで用意すると何が起きるか
- 「太郎・次郎・三郎」子株の呼び方と、使う優先順位
- それでも苗が足りない時の対処と、定植のときの植え方の工夫
いちごの苗、必要な株数ぴったりで用意していい?
定植したい株数がすでに決まっている場合、その本数分だけランナーから子苗を取る、または購入するのが一番シンプルです。ただし、この方法には見落としやすい弱点があります。
育苗している間に、根の張りが弱い苗や、クラウン(株の中心部)が十分太くならない苗が一定数出てきます。定植OKの見極めでは根とクラウンの状態を優先して判断するため、状態が整っていない苗は本来なら定植を見送りたいところです。
必要株数ぴったりしか苗がないと、この「見送りたい苗」を除外できません。結局そのまま定植することになり、定植後の活着が遅れたり、初期の生育が揃わなかったりする原因になります。
丹羽いちご園が予備苗を用意する考え方
丹羽いちご園では、必要な株数より1〜2割ほど多く苗を育てています。生育のばらつきを見込んで、最初から余裕を持たせておく考え方です。苗が多すぎると、その分ポットや置き場所、水やりの手間も増えるため、際限なく増やしているわけではありません。
子株には「太郎・次郎・三郎」という呼び方がある
丹羽いちご園では、親株からランナーで伸びた子株を、親株に近い順に「太郎(1番目)・次郎(2番目)・三郎(3番目)・四郎(4番目)・五郎(5番目)」と呼んでいます。ランナーの1本にいくつも子株が付くため、順番で呼び分けたほうが管理しやすいという理由です。

※親株からランナーで伸びる子株の順番(太郎〜五郎)を示したイメージです。
太郎はなるべく使わない
丹羽いちご園では、この一番子である太郎はなるべく定植に使わない方針です。次郎以降を優先して使い、太郎は基本的に予備側に回します。
太郎を避ける理由として一般的に挙げられるのが、病気の伝染リスクです。太郎は親株ともっとも直接的につながっている子株で、養水分の通り道である維管束を通じて、炭疽病や萎黄病のような病気が伝わりやすいとされています。親株が見た目には健康そうでも、内部に病気を抱えているケースがあり、太郎はその影響をもっとも受けやすい位置にあります。
もう一つの理由が、老化苗になりやすいことです。太郎は形成されてからの期間が長くなりやすく、老化が進むと根が茶色く弱くなり、定植後に活着しにくくなるといわれています。ただしこの老化は太郎に限った現象ではなく、育苗期間が長引いたり水や肥料が不足したりすれば、次郎や三郎でも同じように起こり得るとされています。
ただし、これは「太郎は絶対に使わない」という意味ではありません。次郎以降の苗数だけでは足りない場合は、太郎も定植に使います。定植のOK・NGを最終的に判断する基準は、本葉の枚数ではなく根とクラウンの状態です。具体的な見極め方は「いちごの苗、定植OKの見極め方|本葉の枚数より根とクラウンをチェック」にまとめています。
それでも足りない場合はランナーを伸ばして補植
次郎以降と太郎を合わせても苗数が足りない場合、丹羽いちご園では定植後にランナーを伸ばし、隣の株から子株を取って補植しています。育苗段階だけでなく、定植後もランナーを使って苗を確保できる余地を残している形です。
定植は1株空けて植える
丹羽いちご園では、定植のときに1株分の間隔を空けて植え、その空けた場所にもすぐに苗を植えるという2段階の植え方をしています。ひとつずつ植えて終わりにせず、段階を分けて植えていく工夫です。
すべての苗を一度に同じペースで植えるのではなく、こうした植え方の工夫と、太郎から五郎までの優先順位、足りないときの補植を組み合わせて、必要な株数を確保しています。
| 用意する本数 | 起こりやすいこと |
|---|---|
| 必要株数ぴったり | 生育不良の苗が出た時点で定植数が足りなくなる |
| 必要株数より少し多め | 状態の悪い苗(太郎など)を除外しても、必要な本数を確保しやすい |
よくある質問
Q. 予備苗は具体的に何本くらい用意すればいいですか?
管理できる育苗スペースや水やりの手間によって変わるため、一概には言えません。丹羽いちご園では必要株数の1〜2割ほど多めを目安にしています。初めての場合はまずこの程度から試してみて、翌年以降に自分の育苗環境に合わせて調整するのが現実的です。
Q. 予備苗の分だけポットも増やす必要がありますか?
はい。予備苗も定植候補の苗と同じように根とクラウンを育てる必要があるため、ポットも本数分用意します。丹羽いちご園が育苗ポットに7.5cmのポリポットを使っている理由は「いちごの育苗ポット、連結ポットは避ける?丹羽いちご園が鉢増しせず7.5cmポリポットを使う理由」で解説しています。
Q. 太郎(一番子)はまったく使わないのですか?
いいえ、絶対に使わないわけではありません。丹羽いちご園では次郎以降を優先して使い、太郎はなるべく予備に回していますが、苗数が足りない場合は太郎も定植に使います。
定植の時期そのものや植え方については「いちごの定植時期と正しい植え方|クラウンの深さと秋の準備で収量が変わる」、子苗を増やすランナーの管理については「いちごのランナーは早く切る?遅く切る?メリット・デメリットを農家目線で解説」にまとめています。
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予備苗の分、ポットが足りるか確認を
太郎から五郎まで多めに苗を育てるなら、その本数分のポットも必要になります。丹羽いちご園が実際に使っている7.5cmポリポットのサイズ感を確認してみてください。
この記事はAI(Claude)の支援で作成し、農家本人(丹羽)が内容を確認・監修しています。

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