高設栽培のベッドに入っている土は、シーズンごとに全部入れ替えるものなのか。定植前になると迷うところです。
丹羽いちご園の答えははっきりしています。培地は入れ替えていません。減った分を足して、そのまま使い続けています。
そのかわり、定植前に必ずやっていることが3つあります。培地の補充、元肥を入れて混ぜること、そして太陽熱消毒です。
この記事でわかること
- 高設ベッドの培地を全量交換しない理由
- 定植前に培地へやっている3つの作業
- 本圃と育苗で土の扱いを分けている理由
ベッドの培地は入れ替えていない
うちの本圃は3連棟のハウスで、高設ベッドにはジャット(JAHT)の「いきいき培土」を入れています。
この培地を、これまで全量入れ替えたことはありません。毎年少しずつ沈んで減っていくので、定植前に減った分だけ足すという使い方をしています。
「土は毎年新しくするもの」というイメージがあるかもしれませんが、高設栽培用の培土はもともと長く使う前提で作られているものがあります。
実際、ジャット式の高設栽培システムについては、メーカー側が「20年以上培土の交換が必要ありません」と案内しています(マイナビ農業・株式会社ジャット紹介ページ)。培土と排水層を分けた2層式で、根が酸素不足になりにくい構造だと説明されています。
つまり、毎年全部捨てて入れ替えるのが正解というわけではありません。使っている資材がどういう設計かで、答えが変わります。

※高設ベッドの構造と、定植前に培地を足す流れを示したイメージ図です。
定植前にやっている3つのこと
入れ替えない代わりに、シーズンの入り口で培地の状態を整えます。うちがやっているのは次の3つです。
①減った分の培地を足す
まず補充です。これは毎年、定植前に必ずやっています。
一年使うと培地は沈み、ベッドの上面が下がってきます。そのまま植えると根鉢が浅い位置に来てしまい、株の据わりが悪くなります。
足す量は「元の高さに戻るまで」という見方をしています。年数で決めているわけではありません。
②元肥を入れて混ぜる
次に元肥です。補充した培地とあわせて、ベッドに入れて混ぜ込みます。
前のシーズンで吸われた分を戻す作業なので、培地を足すタイミングと同時にやってしまうほうが手間が少なく済みます。
③太陽熱消毒で一度リセットする
3つめが太陽熱消毒です。薬剤ではなく、ハウスを閉め切って熱を入れるやり方をしています。
培地を使い続けるということは、前のシーズンの病原菌もそこに残る可能性があるということです。入れ替えない前提で回すなら、ここは省けません。
太陽熱消毒そのものは広く使われている方法で、農研機構の資料でも、イチゴ高設・バッグ式養液栽培システムの培地消毒として扱われています。同資料では、イチゴ萎黄病菌が40℃で8〜14日間、50℃で2日間の積算で死滅するという報告が引用されており、被覆には0.05mm以上の厚さの透明ビニルフィルムがより効果的だとされています(農研機構「イチゴ高設・バッグ式養液栽培システムにおける培地の太陽熱消毒」)。
ポイントは温度そのものより、必要な温度をどれだけの日数保てるかという点です。真夏のいちばん暑い時期を外さないほうが確実になります。
丹羽いちご園が定植前にやること
- 減った分の培地を足して、ベッドの高さを戻す
- 元肥を入れて培地と混ぜる
- ハウスを閉め切って太陽熱消毒をかける
全量交換する場合と、足して使う場合の違い
どちらが優れているという話ではなく、選んだシステムと手間のかけ方の違いです。
| やり方 | 内容 |
|---|---|
| 毎年全量入れ替える | 前作の持ち越しを断ち切れるが、培地代と入れ替え作業の負担が毎年かかる |
| 足して使い続ける(丹羽いちご園) | 費用と作業は軽いが、消毒と元肥で状態を戻す工程が必須になる |
入れ替えない選択をするなら、消毒を飛ばさないことがセットになります。「交換しなくていい」は「何もしなくていい」ではありません。
高設栽培そのものを選んだ経緯は「高設栽培を選んだ理由|土耕との違い・メリット・失敗しないはじめ方」に書いています。設備の更新という点では、外張りフィルムの考え方をまとめた「いちごハウスのビニールはいつ張り替える?丹羽いちご園が見ている2つのサイン」も近い話です。
育苗のポットは毎年新しい培土にする
同じ農園の中でも、育苗ハウス側は扱いを変えています。ポット育苗の培土は毎年新しいものを使い、使い回していません。
本圃のベッドは土量が多く、消毒もかけられます。一方でポットは土量が少なく、株ごとに独立しているぶん、前年の持ち越しがそのまま次の苗に出やすい場所です。
苗づくりでつまずくとシーズン全体に響くので、ここはコストより確実さを取っています。
育苗側の容器の選び方は「いちごの育苗ポット、連結ポットは避ける?丹羽いちご園が鉢増しせず7.5cmポリポットを使う理由」、土そのものの選び方は「いちごの子苗に使う土は何がいい?育苗ポットで根を育てる土選びを農家が解説」でまとめています。
家庭菜園のプランターでも考え方は同じ
プランターでいちごを育てている場合も、土が沈んで減ってきたら足す、という点は変わりません。
ただしプランターは土量が少なく、ハウスのように閉め切って熱を入れることもできません。数年使って生育が落ちてきたら、足すより入れ替えたほうが早いのが現実的なところです。
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よくある質問
Q. 高設栽培の培地は毎年入れ替えるものですか?
丹羽いちご園では入れ替えていません。減った分を足して使い続けています。高設栽培用の培土には長く使う前提の製品があり、使っている資材によって答えが変わります。
Q. 培地を足すのはどのくらいのペースですか?
毎年、定植前に必ず足しています。一年で沈んだ分をベッドの高さが元に戻るまで補充する形です。
Q. 入れ替えないと病気が心配ではありませんか?
そのために太陽熱消毒をかけています。ハウスを閉め切って熱を入れる方法で、薬剤は使っていません。入れ替えない前提で回すなら、消毒は省けない工程です。
Q. 元肥はいつ入れますか?
培地を補充するタイミングで一緒に入れて混ぜています。別々にやるより手間が少なく済みます。
Q. 育苗のポットの土も使い回していますか?
使い回していません。育苗は毎年新しい培土にしています。ポットは土量が少なく前年の持ち越しが出やすいため、本圃とは扱いを分けています。
Q. プランター栽培でも土は足すだけでいいですか?
減った分を足すという考え方は同じですが、プランターは土量が少なく消毒もしにくいため、数年使って生育が落ちてきたら入れ替えたほうが確実です。
この記事はAI(Claude)の支援で作成し、農家本人(丹羽)が内容を確認・監修しています。

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