いちごの子苗に使う土は何がいい?育苗ポットで根を育てる土選びを農家が解説

いちごの子苗に使う土は何がいいかのアイキャッチ

いちごの子苗に使う土は、結論から言うと「肥料の強さより水はけと通気性を優先した土」を選ぶのが正解です。ランナーから受けたばかりの子苗はまだ根が弱く、成株用の肥えた土をそのまま使うと、かえって根が傷むことがあります。

私は埼玉県吉見町で、いちご狩りと直売を中心に7年いちごを育てている農家です。この記事では、育苗ポットに入れる土の条件、失敗しやすいパターン、実際の土の入れ方を、7月の育苗期に合わせてお伝えします。

目次

いちごの子苗に使う土は「根が張りやすい土」を選ぶ

成株用の土と育苗用の土は目的が違う

プランターで実をならせる成株用の土は、肥料分をある程度含んでいるものが多いです。一方、育苗用の土には、弱い根が無理なく広がれる環境が求められます。目的が違うので、同じ土をそのまま使い回すと相性が悪くなりやすいです。

子苗の時期は肥料より水はけ・通気性を優先する

子苗のうちは、肥料が多いとかえって根を傷める原因になります。うちでも、育苗の土は肥料控えめ・水はけ重視のものに変えています。実がなる時期の土づくりとは、優先順位が逆になると考えてください。

手元の土が育苗に向くかは、次の3点で簡単に確認できます。土を握って固まったまま崩れないなら重すぎ、水をかけて鉢底からすぐ抜けるなら水はけは合格、逆に半日以上表面が湿ったままなら乾きが遅すぎるサインです。

7月の育苗期は乾きすぎと蒸れの両方に注意する

7月は気温が高く、ポットの土は思ったより早く乾きます。かといって水はけの悪い土に水をやり続けると、今度は根が蒸れてしまいます。この時期の土選びは、両方のリスクを頭に入れて判断してください。

育苗に向く土
  • 水はけがよく乾きが早い
  • 肥料分が控えめ
  • 粒がそろって根が動きやすい
育苗に向かない土
  • 肥料が強く根を傷めやすい
  • 使い古しで病気の心配がある
  • 粒が細かく固まりやすい

育苗ポットの土で失敗しやすい3つのパターン

子苗が弱ってしまう相談の多くは、土のどこかにこの3パターンのいずれかが当てはまります。そもそも親株からランナーがうまく出ていない場合は、いちごのランナーが出ない原因を先に確認してみてください。

肥料が強すぎる土を使う

実をならせるための肥料入り培養土を、そのまま子苗に使ってしまうケースです。根がまだ細いうちに肥料に触れると、傷んで生育が止まることがあります。

成株用の土との違いは、いちごに合う土の選び方と配合でも詳しく説明しています。

古い土をそのまま使う

プランターに残っていた古い土を、洗浄せずに育苗ポットへ流用するケースです。病原菌や害虫の卵が残っている可能性があり、弱い子苗ほど影響を受けやすくなります。

古い土を使いたい場合の判断基準は、いちごの土は再生できる?にまとめています。

土を固く詰めすぎる、または軽すぎて苗が動く

土を固く詰めすぎると、根が伸びるすき間がなくなります。逆にふわふわのまま入れると、水やりのたびに苗がぐらついて根が定着しません。ちょうどよい詰め方は、次の章で具体的な手順とあわせて紹介します。

子苗用の土に必要な条件

ここまでの内容を、実際に土を選ぶときのチェック項目としてまとめました。

条件 判断
水はけがよい 育苗向き
ある程度の保水性もある 育苗向き
清潔な新しい土(未使用) 育苗向き
根が伸びるすき間がある粒の粗さ 育苗向き
肥料分が強い(元肥入りの実付け用培養土など) 育苗に不向き
粒が細かく固まりやすい・古い土の使い回し 育苗に不向き

育苗ポットへの土の入れ方と詰め方

土の中身が良くても、入れ方がばらつくと苗の育ちもばらつきます。うちでは次の順番で土入れをしています。

1
ポットの底まで土を入れて軽くならす底に空洞ができないよう、ポットを軽くトントンと落として土を沈める。
2
子苗を置き、クラウンを埋めない葉の根元(クラウン)が土に埋まると腐りやすくなるため、土の表面ぎりぎりに合わせる。
3
ランナーピンで固定する切り離す前の子苗は、ランナーピンで軽く押さえておくと土から浮きにくい。
4
水やりをして沈み込みを確認する水やり後に土が沈んだら、その分だけ土を足して高さをそろえる。
5
根が張るのを待ってから切り離す軽く引いて抵抗があれば根が張った合図。ここで初めて親株から切り離す。

固定にランナーピンを使う場合の詳しいコツは、いちごのランナーピンの使い方で解説しています。切り離すタイミングに迷ったら、いちごのランナーはどこで切る?もあわせて確認してください。

スマートポッターはどこで役立つ?

子苗の数が増えてくると、土を入れる量や詰め方を毎回同じにそろえるのが地味に大変になります。ここで名前が挙がるのが、育苗用の土入れ道具「スマートポッター」です。

土を入れる量をそろえやすい

ポットごとに土の量がばらつくと、乾き方や根の張り方も苗ごとに変わってしまいます。量をそろえる工程を道具に任せられるのは、数をこなすときに助かる部分です。

作業時間を短くしやすい

手作業での土入れは、慣れていても1つずつに時間がかかるものです。作業がまとまるほど、時短の効果を感じやすくなります。

苗数が多い人ほど効果を感じやすい

数株だけの家庭菜園では差を感じにくいかもしれませんが、何十ポットも用意する場合は作業時間の差が積み重なります。

実機レビューは使用後に追記する

うちではこれからスマートポッターを導入する予定です。実際に使ってみた感想は、届き次第この記事に追記します。今の時点では、土入れ作業の負担を減らす選択肢の1つとして紹介しました。

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土を入れる作業をそろえたい人へ

数十ポット単位で土を入れる場合は、うちでも育苗箱用のポット連続土詰め器を使っています。1つずつ手で詰めるより、量も作業時間も安定するのが利点です。

子苗をポットで受けた後の管理

土を入れて苗を置いたら終わりではなく、根が定着するまでの管理も土選びと同じくらい重要です。

根が張るまではランナーをすぐ切らない

切り離しを急ぐと、根が浅いまま独立させることになります。軽く引いて抵抗を感じるまでは、親株とつないだままにしてください。

早く切るか遅く切るかの判断基準は、いちごのランナーは早く切る?遅く切る?で詳しく解説しています。

水切れさせないが、常にベチャベチャにしない

土の表面が乾いたら水を与え、常に湿った状態を保ち続けるのは避けてください。乾湿のメリハリが、根を深く張らせるきっかけになります。

強い直射・高温時は弱りやすい

真夏の直射日光に長時間当て続けると、根が張る前の子苗は簡単に弱ります。午前中だけ日を当てる、遮光ネットを使うなど、環境の調整も土選びとセットで考えてください。

枯れた苗は無理に残さない

一度弱ってしまった苗を無理に育てようとすると、その分ほかの元気な苗への手間が減ります。見切りをつけて数を絞るのも、育苗をうまく進めるコツです。

丹羽いちご園で見る「良い子苗」と「不安な子苗」

ここからは、うちの農園で実際に子苗を見るときの基準をお伝えします。苗を計画的に増やす手順全体は、いちごの苗を大量増殖する方法にまとめています。

根が白く伸びている

ポットから抜いて(あるいは底の穴から)見える根が、白くまっすぐ伸びていれば順調です。茶色く変色している根は、土の管理を見直すサインです。

クラウンが埋まっていない

葉の根元にあたるクラウン部分が土に埋もれていないかも、毎回チェックしています。埋まっていると、そこから傷みが広がることがあります。

葉色だけで判断しない

葉が青々としていても、根の状態が悪ければ本当の意味で元気とは言えません。就農して間もないころ、葉色だけを見て安心してしまい、根の傷みに気づくのが遅れたことがあります。それ以来、葉だけでなく土と根の状態もセットで確認するようにしています。

土の乾き方にばらつきが少ない

同じ場所に置いたポットなのに、乾くスピードがバラバラなら、土の入れ方や詰め方にムラがある証拠です。ここが揃っている畝ほど、秋の定植で苗の生育も揃いやすくなります。

まとめ|子苗の土は、根を育てるための土と考える

いちごの子苗に使う土は、実をならせる土とは目的が違います。判断に迷ったら、この記事の握る・水をかける・鉢底を見るの3点チェックに戻ってください。

なお、そもそも良い子苗を取るには元になる親株の状態が大きく影響します。いちごの親株は何年使える?で親株の見極め方をまとめているので、あわせて確認してみてください。

土の中身だけでなく、入れ方・詰め方・水やり後の管理まで揃えると、秋の定植時に苗の質がそろいます。7年やってきて、育苗の土は「何を入れるか」と同じくらい「どう扱うか」が結果を左右すると実感してきました。

※この記事は、丹羽いちご園の実際の経験をもとに、AI(文章作成の補助)を活用して構成・執筆しています。栽培の判断は、お住まいの地域やご自身の環境に合わせてご検討ください。

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