いちごの苗を植え付けた翌日、葉がぐったりしおれていた。水が足りないのかと焦って水を足したくなりますが、それが逆効果になることもあります。
先に確認したいのは、①昼だけしおれて朝には戻っているか②土の中まで乾いているか③クラウンの高さは合っているか、の順です。しおれ=水切れと決めつけて水を足し続けると、実は過湿や根の傷みが原因だった場合、かえって回復を遅らせてしまいます。
私は埼玉県吉見町でいちご狩りと直売を中心に運営している農家です。この記事では、定植後にしおれる主な原因、水を足す前に確認する項目、定植後1週間の管理手順についてまとめました。
定植後にしおれても、すぐ枯れたとは限らない
しおれ方によって、まず疑うべきことが変わります。
昼だけしおれて朝に戻るなら暑さ・一時的な水分不足を疑う
日中の強い日差しで一時的にしおれ、朝には葉が張りを取り戻している場合は、根がまだ十分に機能していないだけのことが多いです。この段階では、様子を見ながら管理を続けます。
翌朝も戻らず土が湿っているなら根のトラブルを疑う
朝になっても葉がしおれたままで、しかも土が湿っている場合は、水切れ以外の原因(根鉢と土のなじみ不足・過湿・高温障害・病害など)も考えられます。この段階では追加の水やりはいったん保留し、涼しい時間帯に土の中・根鉢・クラウン・排水・株元の変色をあわせて確認してください。
いちご苗が定植後にしおれる主な原因
原因ごとに、見るべきポイントが違います。
根を傷めた・根鉢を崩しすぎた
症状は、植え付け直後から葉全体の張りがなく、水を与えてもすぐには回復しない状態です。原因は、植え付け時に根鉢を崩しすぎて、根が土になじむ前に傷んでしまったことにあります。
対策は、植え付け直後は根鉢を大きく崩さず、根が動き出すまでそっと管理することです。一般的な目安として、植え付け後1週間ほどは根が張り直す期間と考え、この間は強い力で苗を触らないようにするとよいとされています(一般的な栽培管理の目安で、丹羽いちご園独自の実測値ではありません)。
クラウンの埋めすぎ・浅植え
クラウン(株元の生長点)を土に埋めすぎると生育が止まりやすく、逆に浅植えで根が露出すると水を吸いにくくなります。植え付け時にクラウンの高さを確認しておくと、後からのトラブルを防ぎやすくなります。
土が乾きすぎて水を吸えない
症状は、葉がしおれて土の表面も中も乾いている状態です。原因は、植え付け後の水やりが足りていないことにあります。
対策は、土の中まで水がしみ込むようたっぷり水を与えることです。一般的な目安として、植え付け直後は土の表面が乾く前に、鉢底や畝の下まで水が届くようにかん水するとよいとされています。受け皿に水が溜まったままにせず、給水後30分以内を目安に捨てると過湿を防ぎやすいとされています(一般的な栽培管理の目安で、丹羽いちご園独自の実測値ではありません)。
水のやりすぎ・排水不良で根が働かない
症状は、土が湿っているのに葉がしおれたままの状態です。原因は、水のやりすぎや排水不良で根が呼吸できず働けなくなっていることにあります。
対策は、それ以上水を足さず、畝や鉢の水はけを見直すことです。土の乾き方は鉢・露地・高設など栽培形態や培土、天候によって大きく変わるため、固定の日数では判断せず、水やり後に土が長く湿ったままになっていないかを日々の観察で確認してください。一般的な目安として、鉢植えなら水やり後30分〜1時間ほどで受け皿に水が抜けきるかを確認すると、排水の良し悪しを判断しやすいとされています(一般的な栽培管理の目安で、丹羽いちご園独自の実測値ではありません)。
高温・強い日差しで苗が消耗した
症状は、日中だけしおれて夕方以降に戻る状態です。原因は、根がまだ十分に水を吸い上げられないうちに、強い日差しで蒸散が多くなっていることにあります。
対策は、遮光ネットなどで一時的に日差しを和らげ、回復を待つことです。一般的な目安として、真夏の直射日光を日中2〜3時間以上連続で受け続ける場所は避けたほうが無難とされています(一般的な栽培管理の目安で、丹羽いちご園独自の実測値ではありません)。いちごの葉焼けの原因も参考にできます。
水を足す前に確認する4項目
水を増やす前に、この4点を順に見てください。
| 確認項目・状態 | 判断 |
|---|---|
| 土の中まで乾いている | 水を足すタイミング |
| 土が湿っているのにしおれている | 水を足さず根の状態を確認する |
| クラウンの高さが合っていない | 埋まりすぎなら表土を除く・浅植えなら土を寄せる |
| 新芽や株元に傷みがある | 水やりを増やす前に根の状態を確認する |
| しおれが一株だけでなく全体に及ぶ | 水やり量・畝全体の排水を見直す |
土の中まで乾いているか
表面だけでなく、指を土の中まで入れて湿り気を確認してください。表面が乾いていても中は湿っていることがあり、見た目だけで判断すると水のやりすぎにつながりかねません。
クラウンの高さは合っているか
クラウンが土に埋まりすぎていないか、逆に根が見えるほど浅くなっていないかを確認します。植え直しは根をさらに傷める行為でもあるため、軽い埋まりすぎなら表土をそっと除く、根が露出するほどの浅植えなら早めに土を寄せて高さを直す、というように状態に応じて段階的に対応してください。
新芽と株元に傷みはないか
新芽が展開しているか、株元が変色していないかを見てください。新芽が動いていれば、根はある程度機能していると考えられます。
一株だけか、全体か
しおれが一株だけなら、その株固有の根傷みや植え付け不良が疑われます。全体的にしおれている場合は、水やり量や畝全体の排水など、管理方法そのものを見直したほうがよいことが多いです。
定植当日から1週間の管理手順
時期ごとに見るポイントが変わってきます。
定植当日:根鉢を落ち着かせる水やり
植え付け直後は、根鉢と周囲の土をなじませるようにたっぷり水を与えることが大切です。ここで水を惜しむと、その後の根の伸びが遅れやすくなります。
2〜3日目:朝夕の葉と土を見比べる
朝と夕方で葉の様子がどう変わるか、土の乾き方はどうかを見比べる習慣をつけると、しおれが一時的なものか根のトラブルかを見分けやすくなります。
暑い日:遮光は「回復を待つため」に使う
暑さでしおれている場合、遮光ネットは根本原因を解決するものではなく、根が回復するまでの時間を稼ぐためのものと考えてください。
1週間後:新芽が動いたかで活着を判断する
植え付けから1週間ほどして新しい芽が動き出し、その後も数日続けて展開しているようなら、活着が進んでいるサインです。新芽が一時的に動いただけで止まってしまう場合や、朝の葉の張りが戻らない場合、株元に変色やぐらつきがある場合は、根の状態を改めて確認してください。
やってはいけない対処
しおれを見て焦ると、かえって回復を遅らせる対処をしてしまうことがあります。
- 土の中まで乾いている
- 昼だけしおれて朝は戻る
- たっぷり水を与える
- 土が湿っているのにしおれる
- 朝になっても戻らない
- 水は足さず排水・根の状態を確認する
しおれを見て大量に水を足す
土が湿っているのに水を足すと、根がさらに酸欠状態になり悪化することがあります。まず土の中の状態を確認してから量を決めてください。
活着前に肥料を追加する
根が十分に働いていない状態で肥料を与えると、根に負担をかけるだけになりがちです。新芽が動き始めるまでは、肥料を急がないようにしています。
しおれた葉をすぐ全部切る
しおれた葉をすべて取り除くと、株が光合成できる面積が減り、回復が遅れることがあります。明らかに枯れた部分だけを取り除くようにしてください。
丹羽いちご園での判断例
普段、定植後のしおれをどう見ているかの一例です。
朝には戻る苗と、戻らない苗の見分け方
定植後は、朝一番に苗を見て回り、前日しおれていた株が戻っているかを確認するようにしています。戻っていれば様子見、戻っていなければ土とクラウンをその場で確認する、という流れです。
定植後に水を増やして失敗した経験から変えた確認順
畝に定植した苗が翌朝もしおれたままだったとき、水切れだと思い込んですぐに水を足したことがあります。実際は土が十分湿っており、かえって根の状態を悪くしてしまいました。それ以降、水を足す前に土の中の湿り気とクラウンの様子を確認する順番に変え、しおれが続く株は水を足さずしばらく様子を見るようにしています。
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土の乾き具合を数値で確かめる
定植後のしおれで多いのが、水切れと過湿の取り違えです。土が乾いているのか湿っているのかを手の感触だけで判断するのは、慣れないと迷いやすいところです。
土壌水分計があると、水切れか過湿かを数値で確認でき、水やりの判断がしやすくなります。ただし道具に頼り切らず、クラウンの高さ・新芽の様子も合わせて見るようにしましょう。
よくある質問
定植後、何日しおれたら植え直しを考える?
目安として、1週間経っても新芽が動かず、株元やクラウンにも傷みが見られる場合は、植え直しを検討してください。逆に新芽が動いていれば、もう少し様子を見て問題ないことが多いです。
定植直後に肥料は必要?
定植直後は根がまだ十分働いていないため、追加の肥料を急がず、新芽が動き始めてから与えるようにしています。植え付け時にすでに元肥を入れている場合は、使用する培土や作型の設計に従ってください。元肥を入れていない場合も、根が傷んでいるうちに追肥すると負担になりやすいため、まずは新芽が動き出すのを待ってから与えるほうが安全です。
水やりは毎日必要?
毎日与える必要はありません。土の中の湿り気を確認しながら、乾いていれば与える、湿っていれば見送るという判断を繰り返すほうが、根を傷めにくくなります。子苗の土選びについてはいちごの子苗に使う土選びも参考にしてください。
まとめ|しおれ=水切れと決めつけず、土の中とクラウンを見る
定植後にしおれても、昼だけで朝に戻るなら一時的な反応であることが多く、慌てて水を足す必要はありません。朝も戻らず土が湿っている場合は、水を足す前に土の中・クラウンの高さ・新芽の状態を確認してください。
定植後の管理は、苗づくりの延長でもあります。新芽の元気がないと感じたらいちごの新芽が枯れる原因、葉の様子が気になる場合はいちごの葉が丸まる原因もあわせてご覧ください。
親株の管理が気になる方はいちごの親株は何年使える?も参考にしてください。
※この記事は、丹羽いちご園の実際の経験をもとに、AI(文章作成の補助)を活用して構成・執筆しています。栽培・育苗の判断は、お住まいの地域やご自身の環境に合わせてご検討ください。
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