いちごのランナーが出ない原因の多くは、「時期が早い」「収穫で株が疲れている」「品種の特性」のどれかです。肥料を急に増やしたり、弱った株から無理に子株を取ろうとしても、思うように出ないことがほとんどです。
丹羽いちご園では、ランナーが出ない株を見るときにまず「今は待つ時期か、見直しが必要な時期か」を判断します。この記事では、その判断に必要なポイントと、やってはいけない対処を整理します。
いちごのランナーが出ない原因は?まず時期・親株・品種を見る
ランナーが出ない理由は1つではありません。時期・親株の体力・品種のどれかが絡んでいることが多く、その組み合わせによって対処が変わります。
ランナーは収穫後から初夏以降に出やすい
いちごのランナーは、春の収穫が終わり株に余力が戻ってから出始めます。一般的には5月後半〜7月ごろが目安ですが、収穫期間が長かった年や気温が高い夏は出るタイミングが遅れることがあります。
収穫直後はまだ株が消耗しており、すぐにランナーが出なくても異常ではありません。収穫後の株管理をしっかり行い、株を回復させることが最初のステップです。
実をならせた親株は疲れてランナーが遅れることがある
いちごの株は、実をならせることに多くのエネルギーを使います。収穫量が多かった株や長期間実をならせ続けた株は、ランナーを出す余力が回復するまでに時間がかかります。
「去年は出たのに今年は出ない」という場合は、収穫後の管理状況を振り返るとヒントが見つかることがあります。収穫後管理の全体像も参考にしてください。
品種によってランナーの出やすさは違う
一季なり品種(とちおとめ・あまおうなど)はランナーが比較的出やすい傾向があります。一方、四季なり品種(なるなる・ローズベリーレッドなど)はランナーが出にくく、出ても本数が少ないことがあります。
品種の特性として「ランナーが少ない」場合は、対策しても劇的に変わらないことがあります。育てている品種を確認したうえで判断することが重要です。
ランナーが出ないときに最初に確認すること
まず現在の株の状態を観察します。以下の4点を順番にチェックすると、原因を絞り込みやすくなります。
親株の葉色と新芽が元気かを見る
葉が黄色くなっている、新芽が出ていない、株全体が縮んでいるような状態であれば、株の体力が不足しています。元気な株は緑色の葉が広がっており、中心から新しい葉が出てきています。葉の状態が悪いなら、まず株の回復を優先します。
水切れや高温で株が弱っていないかを見る
夏場の乾燥や高温は株にとって大きなストレスになります。土の表面が乾いているなら水やりが足りていない可能性があります。特にプランター栽培は乾きやすく、夏は朝晩の水やりが基本です。
暑さ対策の具体的な方法は夏のプランター管理で詳しくまとめています。
実や花を残しすぎていないかを見る
収穫後に実をつけたままにしていたり、まだ花が咲き続けている場合、株はその実や花にエネルギーを使い続けます。ランナーを出させたいなら、残っている実・花は早めに切り取るほうがよいです。
病気や害虫で株元が弱っていないかを見る
株元が黒ずんでいる、葉に斑点がある、葉の裏に小さな虫がいる場合は、病気や害虫が原因で株が弱っている可能性があります。ランナー以前に株自体の回復が優先で、病害虫の対処を先に行います。
| 見るポイント | 判断と対策 |
|---|---|
| 時期 | 収穫後から初夏以降に出やすい。早すぎる場合は待つ |
| 親株の体力 | 葉色・新芽・株元を見て、弱い株から無理に取らない |
| 品種 | 四季なりなどランナーが少ない品種もある |
| 水・暑さ | 水切れや高温で株が弱るとランナーが遅れやすい |
| 肥料 | 少しずつ見直す。大量投入は避ける |
いちごのランナーが出ない主な原因
まだランナーが出る時期ではない
収穫が終わってすぐの4〜5月は、ランナーが出る前の回復期です。株が十分に回復していない段階で「ランナーが出ない」と焦る必要はありません。しばらく様子を見ながら株の状態を整えることが先です。
収穫で株の体力が落ちている
いちごは実をならせることに多くのエネルギーを使います。収穫量が多かった年ほど株の消耗が大きく、ランナーが出るまでの回復に時間がかかります。株の体力が戻る前に刺激を与えても、うまくいかないことが多いです。
肥料不足や根詰まりで新しい生長が弱い
収穫後に肥料を切らしていると、株が新しい生長(ランナーや新葉)を出せなくなります。追肥のタイミングや量については肥料・追肥の判断を参考にしてください。
プランター栽培では根詰まりも原因の一つです。植え替え時期が来ている株は根が鉢いっぱいに張っており、新しい生長が出にくくなっています。
暑さや乾燥で株が守りに入っている
気温が高くなると、いちごは新しい生長より現状の維持を優先します。ランナーというエネルギーを使う行動が後回しになるのは自然なことです。涼しくなる9月以降に再びランナーが出ることもあります。
四季なり品種などでランナーが少ない
四季なり品種は、春から秋まで繰り返し実をならせることが特性です。ランナーを出すよりも実をならせる方向に株のエネルギーが向きやすく、一季なり品種よりランナーの数が少ない傾向があります。
来年の苗を確保したい場合は、春の育苗管理を参考に、苗の購入や早めの準備を検討する方法もあります。
ランナーを出したいときの対策
まず親株を休ませて体力を戻す
ランナーを出させるための一番の対策は、親株を休ませることです。残っている実や花を切り取り、株に余力を戻します。焦って刺激を与えるより、株の回復を待つほうが確実です。
水切れさせず、急な肥料の入れすぎは避ける
水やりを欠かさず管理しながら、肥料は「少量を継続する」が基本です。一度に大量の肥料を入れると肥料焼けで株がさらに弱る可能性があります。液肥を使う場合も、製品表示の範囲で薄め、株の反応を見ながら少量ずつ与えます。
古葉は整理しすぎず、光合成できる葉を残す
古葉や枯れた葉を取り除くことは大切ですが、元気な葉まで取りすぎると株の光合成能力が落ちます。黄色くなったもの・病気で傷んだものだけを取り除き、緑色の葉は残すようにします。
子株取り用の親株は早めに分けて管理する
「収穫用の株」と「ランナーを取るための親株」を早めに分けておくと管理しやすくなります。親株用の株には実をならせず、ランナー専用として管理することで、出やすい状態を作れます。
ランナーが出た後はどうする?
ランナーが伸び始めたら、次は子株の確保と固定が大切です。焦って切り離さず、根が十分に出るまで待つことがポイントです。
伸びたランナーはすぐ切らず子株を確認する
ランナーが伸びてきたとき、そのまま切ってしまうと子株が取れません。ランナーの先に出てきた小さな葉のかたまり(子株)が育ち、根が出てくるまで待ちます。
ランナーをいつ切るかのタイミングはランナーをいつ切るかの記事で詳しく解説しています。
ポット受けやランナーピンで子株を固定する
子株が育ってきたら、育苗ポットに土を入れてランナーのまま受け、地面に根付かせます。このときランナーピンを使うと子株がずれず安定します。ピンで押さえながら根が十分に張るまでそのままにしておきます。
切り離しは根が十分に出てから行う
ポットに根が十分張った(目安:ポットから根が見え始めたころ)のを確認してから、ランナーを親株側で切り離します。根が少ない段階で切り離すと、子株が枯れることがあります。
子株を固定するための資材を探す(PR)
ランナーが伸びて子株を残す段階になったら、育苗ポットとランナーピンがあると固定しやすくなります。まだランナーが出ていない場合は、先に親株の状態を見直してから準備しましょう。
丹羽いちご園ではランナーが出ない株をどう見るか
農家として多くの株を管理するなかで、ランナーが出ない株への対処は「待つ判断」と「見切る判断」の両方が必要だと感じています。
収穫株と親株用の株は目的を分けて見る
丹羽いちご園では、収穫を優先した株とランナーを取るための親株を最初から分けて管理しています。両方を1株に求めると、どちらも中途半端になりやすいためです。家庭菜園でも「今年の収穫株」と「来年の苗を取る親株」を分けておくと管理しやすくなります。
弱い株から無理に子株を取らない
葉色が悪く元気がない株からランナーが出ても、その子株は弱い傾向があります。弱い子株から育てた苗は翌年の収穫でも安定しにくいため、無理に取ることはしません。健康な親株からの子株を確保することを優先しています。
ランナーの本数より、健康な子株を取れるかを重視する
「ランナーが何本出たか」よりも「どの子株が健康か」を重視します。家庭菜園では一番苗を使うこともありますが、苗として残すなら、親株から少し離れた二番苗以降を候補にすると管理しやすいです。大事なのは、根の量・葉の色・クラウンの太さを見て、弱い子株を無理に残さないことです。
本数を増やすことより、状態のよい子株を1〜2本確保することを目指しましょう。
ランナーが出ないときにやってはいけないこと
肥料を一度に大量に入れない
「肥料が足りないからランナーが出ないのでは」と考えて、一度に大量の肥料を与えることは避けてください。肥料焼けを起こして株がさらにダメージを受けることがあります。少量を定期的に与えることが基本です。
弱った株から無理に苗を増やそうとしない
株の体力が落ちているときに無理にランナーを促しても、出てきた子株も弱くなりやすいです。株の回復を優先してから苗取りを行う方が、結果として翌年の収穫につながります。
出たばかりのランナーを早く切り離さない
ランナーが伸びてきたからといって、まだ根が出ていない段階で切り離すと子株が枯れます。根が十分に出るまで待つことが大切です。ランナーの切り離しタイミングを確認してから作業してください。
それでもランナーが出ない場合の考え方
親株を買い直すほうが早い場合がある
数年使ってきた古い株、または病気や害虫でダメージを受けた株は、いくら管理しても回復しないことがあります。そのような株からランナーを待ち続けるより、新しい苗を買い直すほうが効率的な場合もあります。苗を選ぶ基準の記事も参考にしてください。
来年は親株用の株を早めに決めておく
来年ランナーを確保したいなら、今年のうちに「来年の親株用」を決めておくことが大切です。収穫に使わず株の体力を温存した株を親株用として管理しておくと、翌年のランナー取りがスムーズになります。
ランナーが出たら切り方・固定方法の記事へ進む
ランナーが伸びてきたら、次は子株の固定と切り離しのタイミングが重要です。ランナーピンを使った固定方法やランナーの切り離しタイミングの記事で、次のステップを確認してください。
この記事は、丹羽いちご園の栽培経験をもとに、AIを活用して作成しました。栽培の状況は環境や品種によって異なるため、あくまで参考情報としてご活用ください。
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