農家が感じた“イギリスEU問題”のリアル――埼玉のいちご農家が世界に学んだ教訓

「イギリス・EU問題」から思う、日本の農家が直面する“壁”と“可能性” 〜埼玉・吉見町のいちご農家より〜

皆さんこんにちは。
埼玉県吉見町で小さないちご園を営んでおります、「丹羽いちご園」の丹羽です。

いつもは、赤くて甘いいちごの話題ばかりをお届けしている私ですが、今日はちょっと毛色を変えて、最近耳にしたイギリスとEUの話題について、いちご農家として感じたことを皆さんにお伝えしたいと思います。

実は先日、夜な夜なスマホをいじっていたとき、あるニュース解説の動画を目にしました。
それは「イギリスとEUの新たな貿易協議」や「スイスモデル」について語られているものでした。

正直なところ、農家の私には、イギリスやEUの政治的な話題なんてほとんど縁がないものと思っていました。でも、よくよく耳を傾けてみると、これがまるで「私たち日本の農家」や「地方の産業」にも通じる話なのではないか、と気づかされたんです。

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難しいことは分からないけど「ルール」は生活に直結している

解説によると、イギリスはEUを離脱した後、貿易や人の行き来がとても難しくなってしまったようです。
その影響で、イギリスの農産物や食品がヨーロッパに輸出しづらくなり、結果的に物価が高騰したり、流通が滞ったりしているのだとか。

これを聞いて、私は「それ、どこかで聞いたことあるな」と思いました。

そう、まさに私たち日本の農家が直面している「輸入規制」「流通制限」「値崩れ」と同じような話です。
例えば、日本でも「TPP」や「EPA」といった国際協定によって、海外から安い農産物が入ってくることがあります。逆に、日本から海外へ農産物を輸出しようとすると、厳しい基準や手続きの壁が立ちはだかります。

私たちいちご農家も、かつて「海外へ日本のいちごを売りたい」という夢を持ったことがありました。
ですが、現実はそう甘くなく、いろいろな「規制」や「ルール」に阻まれて、農家一軒だけで海外に打って出るなんて、夢のまた夢でした。

「瑞士(スイス)モデル」って、地方の小さな農家にも似ている?

イギリスが「スイスモデル」と呼ばれる方式を取り入れようとしている、という話もありました。

スイスはEUに加盟していないものの、EUと細かく取り決めをして、実質的にEU圏と同じように人やモノの行き来を自由にしているらしいです。
それを「都合がいい」と批判する声もあるようですが、私には「スイスは自分たちの規模や立場に合った、柔軟な生き方を選んでいる」のだと感じました。

これも、まるで私たち地方の農家に似ているなと思ったんです。

私たち小さな農家は、大企業のように全国展開する力はありません。
ですが、町のお客さんや、いちご狩りに来てくださる皆さんとの“直のつながり”を大切にしながら、地域のルールや風土に合わせたやり方で、コツコツとやっています。

大きな流れには乗れなくても、自分たちなりの「やり方」を見つけて、地に足をつけてやっていく。
それこそが、本当に息の長い商売や生き方につながるのではないか、そんなことを思ったのです。

「政治」は遠いものではない。日々の食卓とつながっている

ニュースや政治の話なんて、私たち農家にとっては「別世界のこと」と思いがちです。
でも実際には、それが巡り巡って、皆さんの「食卓」や「物価」に直結しています。

例えば、イギリスの物価が高騰して、クリームや食材が手に入りにくくなった、という話。
私たちのいちごも、実は同じです。
肥料やビニールハウスの資材、燃料、パック資材……。
全部、世界の情勢や貿易ルールに影響されて、年々値上がりしています。

「いちご狩りの値段、また上がったなぁ」と思われる方もいるかもしれません。
でも、それは私たち農家が好き勝手に決めているわけではなく、こうした“世界の流れ”が背景にあるのです。

小さな農家だからこそ「今、目の前のお客様」を大切に

イギリスがどう動くか、EUがどうするか。
そんな大きな話は、私たち農家には決められません。

でも、私たちにできることがあります。
それは、「今、目の前に来てくれるお客様を大事にすること」です。

どんなに世界が変わろうと、いちごを一粒一粒、心を込めて育てること。
そして、遠くから足を運んでくださるお客様に「おいしいね」と笑顔になってもらうこと。
それが、私たちにとって一番大事な“ルール”であり、変わらない“使命”です。

いちごのように、小さな一粒でも甘く、力強く

イギリスやEUの話を聞いて、あらためて「小さくても、自分たちらしく生きていくことの大切さ」を感じました。

いちご一粒は小さくても、食べた人の心に甘い感動を届けられる。
小さな農家でも、誰かの幸せな時間をつくることができる。
そんな「一粒の力」を信じて、これからも地道に、真面目に、いちごを育てていきたいと思います。

長くなってしまいましたが、今日も最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
これからも、吉見町の小さないちご園から、みなさんの笑顔のために、一生懸命いちごを届けてまいります。

どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。


埼玉・吉見町
丹羽いちご園 丹羽

🔗 参考元動画はこちら(YouTube)

https://www.youtube.com/watch?v=tlJinBoiO0Q

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