【感想ブログ】農家目線で見る「吉村農園」さんの肥料管理と、今こそ私たちにできること
みなさん、こんにちは。埼玉県で小さないちご農園「丹羽いちご園」を営んでおります、園主の丹羽です。
いちご狩りや直売所を通じて、多くのご家族に「美味しいね」「また来たいね」と言っていただけることが、何よりの励みになっています。そんな私も、農家として日々試行錯誤し、学び続けております。そして今日、皆さんにどうしてもお伝えしたくてキーボードを叩いています。
それは、先日拝見した**「吉村農園」さんのYouTube動画**についてです。
農家目線で見た、吉村農園さんの取り組み
まず、吉村農園さん。言わずと知れた育苗から収穫、販売、さらには情報発信まで、地道に積み上げてこられた農家さんです。実は私も以前からファンでして、いつも「なるほど!」と学ばせていただいています。
今回のテーマは**「親株の肥料管理」**についてでした。
置き肥(エコロングトータル)の選択
吉村農園さんが今年新たに導入された「エコロングトータル」という被覆肥料。これ、私も気になっていたんです。
液肥管理が中心になりがちな私たちいちご農家ですが、置き肥をどう活かすか、常に悩ましいテーマです。
45000円と決して安くはない資材。それでも「ゆっくり効かせたい」「昨年の失敗を繰り返したくない」という思いで、新たな一歩を踏み出された吉村さんの姿に、胸が熱くなりました。
動画の中で、
「いかにランナーを早くたくさん出すか」
「病気にかからない健全な親株を作るか」
この2点を目指して、いろいろ試されている様子が伝わってきます。私自身、今年は定植が遅れたこともあり、同じような課題を抱えていました。
正直、「こんな情報まで公開して大丈夫?」と思うほど、リアルな失敗談や具体的な資材名、施肥量まで赤裸々に語られていて、まさに農家の教科書のようでした。
「誰かのやり方を素直に真似する」という学び
動画内で吉村さんがおっしゃっていた
「人のものを見て、いいと思うことは真似するのが一番簡単」
という言葉。
これ、本当にその通りだと思います。
私も若い頃、「俺は俺のやり方でいく」と妙なプライドを持っていました。でも、ある先輩農家さんから「素直さこそ成長の鍵だよ」と言われてハッとしました。
どれだけ本を読んでも、どれだけ理論を学んでも、実際の現場で試して、体感しないと分からないことが多いのが農業です。だからこそ、吉村さんのように、現場で得た実体験を惜しみなく共有してくれる存在は、本当に貴重です。
世界情勢と農家としての無力感
さらに、動画の後半では世界情勢への言及がありましたね。
戦争、争い、憎しみの連鎖…。
農業とは関係のない話題のようで、実は私も同じようなことをよく考えています。
燃料費の高騰、肥料や資材価格の高騰、物流費の上昇…。
こうした影響を一番受けるのは、私たちのような零細農家です。
世界規模の問題に、私たち一人ひとりができることなんて限られている。そう感じて、無力感に押しつぶされそうになる時もあります。
でも、吉村さんが
「争いごとじゃなくて、ビジネスやスポーツ、別のところにエネルギーを使うのが一番いい」
とおっしゃっていたように、私たちにも「できること」があります。
いちごを通じて「小さな幸せ」を届けたい
それは、目の前のお客様に、笑顔を届けること。
どんなに世界が荒れても、子どもたちはいちごを食べて「おいしい!」と笑います。
家族でいちご狩りに来て、「楽しかったね」と手をつないで帰っていきます。
その小さな幸せの積み重ねが、やがて大きな平和につながるんじゃないか。
そう信じて、今日も畑に立っています。
子どもと映画を楽しむ、かけがえのない時間
最後に、吉村さんの「マインクラフト ザ・ムービー」をお子さんと観に行かれたお話も、心がほっこりしました。
忙しい農繁期の合間に子どもと過ごす時間は、何にも代えがたい宝物です。
仕事ばかりになりがちな私たち農家こそ、意識して「家族との時間」を大切にしたいですね。
平日の映画館が貸切状態だった…というエピソードにも、少し笑ってしまいました。
「このタイミングで行ったのか!」と、親近感すら覚えます(笑)。
まとめ:農家のリアル、発信し続ける大切さ
吉村農園さんの今回の動画を通じて、私は改めて大切なことを再認識しました。
1. 素直に学び、挑戦し続けること
農業は「これさえやれば正解」というものが決してありません。
土、気候、品種、管理方法…どれ一つとして同じ条件はなく、毎年「去年と同じ」でうまくいく保証もないのが現実です。
だからこそ、他の農家さんの取り組みを素直に受け入れ、まずは真似てみる勇気が必要なのだと改めて感じました。
プライドや失敗への恐れを手放して、一歩踏み出す。
それが農家として生き残っていくための「本当の強さ」だと、吉村農園さんの姿勢から教わりました。
挑戦し続ける姿を発信してくださることで、私たち同じ農家はもちろん、これから農業を志す若者たちにも大きな勇気を与えていると心から思います。
2. 目の前の人を笑顔にすること
いちごを通じて、目の前のお客様に「美味しい」「楽しい」と笑顔になっていただく。
それこそが、私たち農家にできる「ささやかだけど確かな社会貢献」だと思います。
世界情勢がどれだけ不安定でも、経済が厳しくても、
いちごを食べて、家族みんなで笑い合える時間は、何よりの幸せです。
吉村農園さんのように、情報発信を通してお客様とつながり、
リアルな農家の声を届けていくことで、もっと農業が身近になり、
もっと農家が「社会に必要とされる存在」になっていくのだと確信しました。
3. 家族との時間を大切にすること
「忙しい」を言い訳にしない。
どんなに農業が大変でも、家族との時間はかけがえのないもの。
吉村農園さんが、お子さんと映画館で過ごした時間のお話に、私は深く共感しました。
私たち農家も一人の親であり、一人の家族の一員。
家庭があってこそ、仕事に打ち込めるのだと、改めて心に刻みました。
仕事と家庭、どちらか一方ではなく、どちらも大切にできる農家でありたい。
その想いを持って、これからも「人として」「農家として」成長していきたいと思います。
泥まみれのリアルを、これからも伝え続けたい
農家の現場は、決して美しい言葉だけでは語れない、汗と泥にまみれた世界です。
失敗も、迷いも、不安も、すべてが日常です。
それでも、だからこそ、私たちは**「伝えることをやめてはいけない」**と強く思います。
誰かの成功や失敗を自分の糧にできるように。
農業の現実を、もっと多くの人に知ってもらえるように。
次の世代が「農業って面白そうだな」と感じてくれるように。
農業は「一人でやるもの」ではありません。
支え合い、学び合い、励まし合い、共に未来をつくっていくものです。
私も、いちご園あかつきとして、これからも「小さな幸せ」を届けるために、
リアルな現場の声を発信し続けていきます。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
次は、あなたの農園の声も、ぜひ私たちに聞かせてください。
🔗 参考元動画はこちら(YouTube)
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