米の高騰は本当なのか?農家が語る“本音”に思わずうなずいた – 吉見町いちご農家より

こんにちは、埼玉県吉見町でいちご農家を営んでおります「丹羽いちご園」の丹羽です。

今日は少し苺の話を離れて、同じ「農」という現場で生きている者として、どうしても触れたくなった内容についてブログを書かせていただきます。

それが、YouTubeで配信されていたこちらの動画:

👉【スーパー米農家が語る、コメ高騰の真相】

拝見して、本当に胸を打たれました。

目次

ハイテク×農業という「現場の未来」

まず何より驚いたのは、出演されていた3名の米農家の方々の“スケール感”と“先進性”。

中森強さんは、埼玉・栃木・島根・山口で330ヘクタールの水田を経営しているというのだから驚きです。同じ埼玉で農業をしている私から見ても、これは想像を超えた規模です。

それだけでなく、自動運転のトラクター、ICTシステム、自社開発の営農アプリ…農業にここまでテクノロジーが融合しているとは、正直なところ知りませんでした。

いちご農家として日々「手作業」と「目利き」が命の現場で仕事している自分にとって、こうしたデータドリブンな農業には、ただただ感服です。

とはいえ、テクノロジーを導入しているからこそ、経営の“数字”で語れるというのは本当に強い。感覚だけでなく「科学的に語る農業」、それが今後求められる姿なんだと実感しました。

「米高騰」は本当に“騒がれすぎ”なのか?

ここで本題の「米の価格高騰」について。

最近、ニュースやスーパーでも「米が高い」「今年はコメ不足だ」なんて声をよく耳にしますが、動画内でパネリストたちは**「メディアが騒ぎすぎているだけ」**と一刀両断していました。

実際、価格はむしろ20年前の水準に戻っただけ。つまり、かつてが安すぎたのです。

これには私も大きくうなずきました。

私たち果樹農家もそうですが、「価格が上がった」と言われても、それはコストや手間に見合う適正価格に戻っただけ、ということが多いんです。

そもそも農産物の価格は「豊作=暴落」「不作=高騰」という図式で語られがちですが、それって本当にフェアなんでしょうか?
天候に左右される私たちにとって、それだけで価値が上下するのは正直つらい。だからこそ、「米が高くなった!」というだけで“悪”のように言われる風潮には強く違和感を覚えます。

異常気象と収量減、それでも前に進む姿に勇気

今年は私の農園でも、苺の出来に影響が出ました。記録的な暑さや、花が咲くタイミングがズレたことで、出荷量が一部落ち込みました。

動画でも紹介されていたように、水稲でも「イネカメムシ被害」や「異常高温」によって品質や収量が低下しているとのこと。

それでも、3人の農家は「それをどう捉えて、どう工夫するか」という姿勢で前を向いていたのがとても印象的でした。

特に印象的だったのは、徳本主一さんの言葉。

「農業をカッコよく見せたい。だから歌まで作った」

彼が披露した自作の農業讃歌「アイアンマファーマー」、思わず笑ってしまいましたが、同時に胸が熱くなりました。

農業って、外から見れば“地味”かもしれません。でも、そこには誇りがあり、ドラマがあり、何より人と自然が一緒に生きていく営みがあります。

そういう「かっこいい農業」の姿を、もっと多くの人に知ってもらいたい。私も「いちご農家」として、少しでもその一端を担えたら嬉しいです。

地元の小さな農園から見える“大きな課題”

最後に、私のような小規模農家として思ったことを。

出演していた農家さんたちは、それぞれ大規模化・集約化・テクノロジーの導入を武器に、農業をビジネスとして成立させていました。とても前向きな取り組みで、尊敬しかありません。

しかしその一方で、私たちのように家族経営・地域密着の小さな農園では、同じようにはできない現実もあります。

私たちが守っているのは「地域の農地」や「地元の食文化」、そして「毎年楽しみにしてくださるお客様との信頼関係」です。

規模では敵わないかもしれないけれど、“心を込めて育てた苺”が誰かの幸せになる。そう信じて、丹精込めて作業を続けています。

だからこそ、今回のような農家の“リアルな声”がメディアを通じて広がっていくことに、心から希望を感じます。

農業は今、分岐点に立たされています。大規模化か? 地域密着か? テクノロジーか? 手仕事か?

でも、答えはひとつじゃないはずです。

それぞれの立場で、地に足をつけて、自分たちのスタイルで前に進む。そういう多様な農業が支え合って、日本の食卓を守っているのだと思います。


最後に

農業は、単なる「産業」ではありません。

自然とともに生きる人々の暮らしそのものであり、地域の文化であり、未来を担う子どもたちへの贈り物でもあります。

今回の動画で語られた「米」の話は、どの農業にも通じる“真実”がありました。

これを機に、みなさんの“食”への見方が少しでも変わることを願っています。

そして、ぜひ季節になったら、吉見町のいちご園にも遊びにきてくださいね🍓
あなたの笑顔が、私たち農家の何よりのエネルギーです。

– 丹羽いちご園 園主・丹羽

🔗 参考元動画はこちら(YouTube)

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