【感想ブログ】米不足なのに輸出絶好調?私たちの食と主権を守るために必要な視点とは
本日は、とあるYouTube動画の内容について感想と私なりの考察をお届けしたいと思います。
その動画では、「日本は米不足なのに輸出が好調。これはおかしいのではないか?」という非常に重要なテーマが語られていました。農家のリアルな視点から語られた内容は、ただの怒りや不満ではなく、日本の農業政策、食料安全保障、そして私たち一人ひとりの消費行動に深く関わる根源的な問題を突いています。
ここでは、動画の内容を軸に、私なりの分析と提言を述べていきたいと思います。
■ なぜ「米不足なのに輸出」が起きるのか?
これは一見すると完全な矛盾です。国内で米が足りないと言いながら、海外には大量に輸出している。しかも、国内では5kgで4000円もする米が、海外では3000円以下で売られている。
これは「構造的なバグ」とでも呼ぶべき事態です。
実は、背景にあるのは“制度設計の矛盾”です。農家は海外輸出用の米を作ると補助金が出る仕組みになっています。補助金の前提は「輸出すること」。よって、途中で輸出をやめて国内販売に切り替えれば、その補助金を返還しなければならない。農家にとっては、それは大きな負担となるため、「米が足りないから国内で売ってくれ」と言われても、簡単には方向転換できないのです。
つまり、これは個々の農家の判断ミスではなく、政策の設計ミスが引き起こした「制度的強制」です。
■ 日本人は実際には国産米を食べていない?
もう一つ見逃せないのは、我々消費者の立場です。「日本の米を食べたい」「国産が安心」と言いつつも、実際に私たちが日々食べている食品の多くは“知らずに”外国産です。
動画の中でも触れられていましたが、生鮮食品としてスーパーで並んでいるキャベツや米は確かに国産が多い。しかし、加工品や外食の材料には、ほとんどが外国産が使われているのが現実です。
これは、我々が「選んで」外国産を食べているのではなく、すでに選択の自由を奪われているとも言える状況です。知らず知らずのうちに、我々の食卓は海外依存に陥っているのです。
■ 食料主権とは何か? そしてそれはなぜ重要なのか?
この問題の本質は「食料主権の喪失」です。
食料主権とは、簡単に言えば「自国民の食を自国で確保できる能力」のこと。戦争や災害、国際的な政治変動が起きた時、自国の食料を自給できない国は、人質と同じです。
動画の後半で語られた「完税(関税)の撤廃=主権の放棄」という視点は非常に的を射ています。関税は経済的なバリアであり、自国の産業を守るための“防衛手段”です。これを安易に下げれば、海外の安い農作物が大量に流入し、国内農家が駆逐され、結果的に自給率はさらに低下します。
ヨーロッパ諸国は、農家を守るために年収700万円以上の手厚い所得補償をしています。それが国民の“合意”の上で行われている点が重要です。つまり、国民が「農業は国の安全保障そのものである」と理解しているのです。
■ 消費者である私たちにできること
では、この状況を変えるにはどうすればよいのでしょうか?
それは、政治を変えることだけではありません。まずは「私たち消費者が意識を変える」ことが最も現実的で、かつ効果的です。
- 米が高いと文句を言わない
- 国産を積極的に選ぶ
- 外食や加工品を買う時も「国産使用」を確認する
こうした小さな行動の積み重ねが、政策を変え、流通を変え、最終的には国の主権を守ることにつながるのです。
■ 日本の「慢性的デフレマインド」が食の破壊を進めた
動画では、90年代後半から続く「食のデフレ」についても触れられていました。私もコンサルタントとして企業の再生支援や業績改善に携わる中で、デフレの悪循環を何度も見てきました。
価格競争が激化し、質の高いものが売れなくなる。やがて国内生産が維持できなくなり、安価な輸入品に依存せざるを得なくなる。これは農業に限らず、日本のあらゆる産業で起きている現象です。
デフレの最終段階では、「何が適正価格か」が分からなくなります。65円のハンバーガーや280円の牛丼。それは誰かの搾取の上に成り立つ価格です。そして、持続可能ではありません。
■ まとめ:国を守るのは、“日々の選択”という小さな行動の積み重ね
今回の動画の中で、私が最も胸に突き刺さった言葉があります。
「主権は奪われるものではなく、自ら放棄してしまうものだ」
この一言がすべてを物語っています。
我々は戦争もされていない。武力で脅されているわけでもない。
しかし、静かに、そして確実に、“主権”が失われている現実があるのです。
どうしてこんなことが起きるのか?
その答えは、私たち一人ひとりの「無意識の選択」にあります。
便利さ、安さ、効率性――
この三つは現代社会の“正義”のように語られます。
しかしその追求の裏で、私たちは気付かないうちに「何か大切なもの」を差し出してきました。
そのひとつが、“国産の食”であり、そして“国の自立性=主権”です。
もちろん、日々の生活は楽ではありません。
物価は上がり、収入は上がらず、節約せざるを得ない状況にある方も多いでしょう。
それでも、たった一つの選択――たとえば**「今日は国産の野菜を選んでみよう」**という行動が、未来の食卓を守る第一歩になります。
政治家を責めるのは簡単です。制度を批判するのも必要でしょう。
けれども、本当の変化は「自分から始める」しかないのです。
政策は世論の反映です。消費の傾向は市場を変えます。
つまり、“私たちの選択”こそが国の未来を左右しているということを、もっと真剣に受け止めるべきではないでしょうか。
買い物は“投票”と同じです。
どの商品を選ぶかで、どの生産者を応援するかが決まる。
どの食べ物にお金を使うかで、どの国に経済が回るかが決まる。
だからこそ、次にスーパーに立ったその時、ただ値段だけで決めるのではなく、
「これはどこの誰が、どんな想いで作ったものだろうか?」
そう想像してみてください。
その一瞬の意識の切り替えが、未来の大きな分岐点となります。
国を守るのは、軍隊だけではありません。
私たち一人ひとりの“毎日の選択”こそが、最大の防衛力なのです。
日本の食卓、日本の農業、日本の未来を守るのは、他の誰でもない、あなた自身です。
🔗 参考元動画はこちら(YouTube)
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