いちご農家に“休み”なんてない!シーズン終了から始まる壮絶な裏側を大公開

【いちご農家の本音】いちご狩りが終わったその先に待つ“終わらない挑戦” 〜来シーズンに向けた裏側を語ります〜

こんにちは。
埼玉県吉見町「丹羽いちご園」の丹羽です。

現場は、「知られざる努力と工夫」が詰まっています。
今日は、その一歩奥のリアルを、農家の私だからこそ語れる視点で綴りたいと思います。


目次

「終わった」ではなく「ここから始まる」いちご農家のリアル

シーズン中は毎日たくさんのお客様にご来園いただき、
「また来年も来るね!」
「甘くて最高だった!」
そんな嬉しいお声をいただき、本当に幸せな気持ちでいっぱいでした。

でも、皆さんが帰られた後、私たちには「次の準備」が待っています。
実は、いちご農家に“オフシーズン”というものはありません。

いちご狩りが終わった翌日から、もうすでに来年の挑戦は始まっているのです。


連作ができない…だから「全部引っこ抜く」しかない現実

いちごは「同じ土で何年も育て続けると、連作障害が起きやすい作物」だということを、皆さんはご存じでしょうか?

連作障害とは、
・病害虫が増えやすくなる
・土の栄養バランスが崩れる
・苗の成長が悪くなる
など、いちごにとって致命的な悪影響をもたらすもの。

だからこそ、どんなに立派に育ってくれた株でも、シーズンが終われば**「全て引っこ抜く」**しかないのです。

これが、私たち農家にとっては一番心が痛む作業でもあります。
「ありがとう。よく頑張ってくれたね。」
そう心の中で何度も声をかけながら、一本一本、手で抜き取っていきます。

支柱もビニールもすべて取り外し、ハウスの中はまるで更地のよう。
ついさっきまでお客様で賑わっていた景色が一変し、少しだけ切なくなります。
でも、ここからが本当の勝負です。


密封・高温で雑菌を絶つ!「太陽熱消毒」の裏側

引っこ抜いた後に待っているのが「土のリセット作業」。
その中でも、私たちが特に力を入れているのが**「太陽熱消毒」**です。

これは、

  1. ハウスの土を深く耕し、しっかり湿らせる
  2. その上をビニールで密封する
  3. 真夏の太陽熱を利用して、ハウス内の温度を一気に40~50℃以上にまで高める
  4. 高温で雑菌や病原菌を死滅させる

という工程です。

まさに「ハウス全体を蒸し焼き状態にする」ような作業。
夏場はハウス内が灼熱地獄のようになり、私たちが中に入るのも命がけ。
でも、この作業を怠ると、来シーズンのいちごに深刻なダメージが出てしまうため、毎年欠かさず実施しています。

「土をリセットし、次に備える」
これは農家のプライドとも言える大事な作業なのです。


もう始まっている「苗作り」という命のリレー

ハウスの中では土のリセット作業が進む一方、
外ではもう**「来年のいちごの命をつなぐ苗作り」**がスタートしています。

いちごは、親株から伸びる「ランナー(つる)」を使って苗を増やします。
私たちはこのランナーの中から、元気な苗を厳選して育てていくのです。

苗作りは、いちご農家にとって「一年の成否を握る」と言っても過言ではありません。
なぜなら、どれだけ土づくりを頑張っても、
どれだけ設備を整えても、
「健康で力強い苗」が育たなければ、美味しいいちごは実らないからです。

この苗作りも、毎日水やりをし、葉の状態を見て、根がしっかり張っているかを確認しながら、一株一株育てていきます。
まさに、来年の収穫への命のリレー

夏にはこの苗をハウスに植え替え(定植)、さらにそこから秋まで大切に育てていきます。
この「苗作り」があるからこそ、来年また皆さんに**「最高のいちご」**をお届けできるのです。


進化し続ける農園づくり

土づくりや苗作りだけではありません。
農園そのものも、より良い環境を目指して進化を続けています。

・お子様連れやご年配の方も快適に過ごせるように、通路を広げる
・いちごの甘さや実の状態を安定させるために、温度・湿度管理を強化する
・安心安全ないちごを届けるために、害虫・病気対策を徹底する

こうした改善も、来シーズンの「最高のいちご体験」のために欠かせない取り組みです。


「また来年!」その声に支えられて

毎年、シーズン最後のお客様からかけていただく
「また来年、絶対来るからね!」
という言葉。

あの瞬間、私たちの心に火がつきます。
「よし、来年はもっと美味しいいちごを作るぞ!」
「もっと楽しい農園にしよう!」
その気持ちで、また一年間走り続けるのです。


これからも挑戦は終わらない

いちご狩りは「ゴール」ではなく、「新しいスタート」。
農家の挑戦は、これからもずっと続いていきます。

「いちご狩りが終わったから、しばらく暇でしょ?」
そう思われがちですが、実際はその逆。
今が一番、農家としての「底力」が試される季節なのです。

ぜひこれからも、私たち丹羽いちご園の挑戦を応援していただけたら嬉しいです。
ブログやSNSでも、引き続き最新の取り組みを発信していきますので、ぜひフォロー&チェックをよろしくお願いいたします。

来シーズン、また皆さんと笑顔でお会いできる日を、心より楽しみにしています。

丹羽いちご園 丹羽より

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