いちごと、ひとりの時間と、みなさんの笑顔と。
― 丹羽いちご園から本音でお届けする、私のいちご日記 ―
こんにちは。埼玉県吉見町で「丹羽いちご園」を営んでおります、丹羽です。
【農園主の本音】ひとり農園経営の日々と、いちごにかける私の想い。
「甘いですね!」のひと言が、どれほど力になるか
記事の中で書いた通りですが、「美味しかったよ」「また来たいです」というお客様のひと言。
これは本当に、どんな疲れも吹き飛ばす魔法の言葉です。
農作業というのは、天候にも左右されますし、時間との勝負でもあります。
朝から晩まで動き回って、体が悲鳴をあげることもあります。
それでも、いちご狩りの終わりに、子どもたちがいちごを両手いっぱいに頬張って「また来るね!」と笑ってくれるだけで、
「ああ、やっててよかったなぁ」と心から思えるんです。
もちろん、これは綺麗ごとだけでは済まないリアルがあります。
記事でも「正直に言うと、毎日の作業は地味で地道」と書かれていたように、華やかなイメージとは裏腹に、
農園の毎日は“地味な努力の積み重ね”でできています。

「ひとりでやる」という選択と、その理由
私は、規模の大きな農園のように多くのスタッフがいるわけではありません。
だからこそ、「ひとりでやる」ということの意味を日々、強く感じています。
自分の目で確かめ、自分の手で触れて、自分の体で気候を感じる。
この五感をフルに使って育てるいちごだからこそ、わが子のように可愛く思えるのです。
朝のハウスに入ると、昨日とは少し違った“空気”を感じる瞬間があります。
「今日は湿気が高いな」と思えば、風の通し方を工夫したり、
葉の色や実のつき方を見ながら「この株は少し元気がないかな?」と、そっと手入れをしてやる。
こうした細かな気づきや配慮が、甘くて、香り高くて、元気ないちごを育ててくれるのだと思っています。
正直、大変です。それでも、やめたくないんです
ここまで読んでくださって、「そんなに愛情を注いでいるなんて、素敵ですね」と思ってくださる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、本音を言えば、しんどい日は本当にあります。
収穫のタイミングは待ってくれませんし、病気や虫のリスクもあります。
ひとりですべてを背負うことのプレッシャーは決して小さくありません。
ですが、そんな中でも「いちごを育て続けたい」と思えるのは、
やはりお客様の笑顔と、「いちごって、人を幸せにするんだな」という確信があるからです。
それが農業の力であり、人の温かさに触れられる瞬間だと思うのです。
「あそこ、良かったな」と思ってもらえる農園に
私は、農園の規模を無理に拡大するつもりはありません。
機械化や効率化も大切ですが、「手間を惜しまないこと」が、この丹羽いちご園らしさだと思っています。
お客様がふと、「また行きたいな」と思い出してくれる。
SNSの投稿を見て、「今年も始まったんだ」と感じてくれる。
そんな“心に残る農園”でありたいと、いつも思っています。
特別なことはしていません。
でも、「あの時のいちご、美味しかったな」
「なんだか、落ち着く場所だったな」
そう思ってもらえるように、これからも一粒一粒、大切に育てていきます。

さいごに ― 応援してくれる皆さまへ
日々、畑に出て、いちごと向き合っていると、自分と向き合う時間も自然と増えていきます。
この仕事は孤独だと思われるかもしれませんが、実際にはたくさんの方と繋がっています。
いちご狩りに来てくださった皆さん。
SNSを見て「頑張ってるね」と言ってくださる方。
そして、毎年変わらず足を運んでくださるリピーターの方々。
そんな皆さまに支えられて、今日もいちごを育てることができています。
これからも、派手ではなくても、「ここに来てよかった」と思ってもらえるような農園であり続けたいと思います。
甘くて優しくて、誰かの心をちょっと明るくするいちごを、丁寧に、まっすぐに。
また、皆さんとお会いできる日を、心から楽しみにしております。
本当に、いつもありがとうございます。
🍓 丹羽いちご園 丹羽
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