【農政と向き合う苺農家の本音】コメ価格急騰から考える、農業の未来と私たちの役割

こんにちは、埼玉県吉見町でいちご農園を営む「丹羽いちご園」の丹羽です。

今日は、ある一本のYouTube動画を観て、農業に携わる一人としてどうしても感じたこと、そして皆さんに伝えたいことがあり、このブログを書いています。

その動画のタイトルは、

「【コメ価格急騰は、農政の失敗だ】農政トライアングルの闇」

というもの。普段はいちごを育て、いちご狩りに来てくれるお客様の笑顔を見ている私ですが、この動画を観て、農業の根っこの部分にある「仕組み」について考えさせられました。


目次

■ 農政トライアングルの「闇」と、現場とのギャップ

まず冒頭で語られていたのは、「農政トライアングル」という言葉。
農林水産省、政治家(農林族)、そしてJA(農協)。この三者ががっちり手を組み、農政を決めてきたというのです。

私のような小規模農家からすると、どこか遠い世界の話に聞こえるかもしれません。でも、実際にはこの構造の上に、私たちの農業経営も乗っているわけです。

特に感じるのは、JAの力が大きすぎること。確かにJAにはお世話になっている部分もあります。しかし、その一方で、選択肢が限られている現実もあります。

たとえば、出荷先や資材の購入先、融資や保険にいたるまで、JA以外の選択肢が非常に限られている。

これはまさに、動画で語られていた「地域独占とリスク」の話とリンクしています。


■ 「減反は終わっていない」…それは本当に終わったのか?

動画内では、減反政策が「表向きには終了したが、実質的には続いている」と指摘されていました。

米農家ではない私にも、それはよく聞く話です。
というのも、同じ地域で農業を営む仲間たちが、「今でも作らせてもらえない作物がある」とこぼすことがあるからです。

私たち苺農家は、まだ自由度が高いほうかもしれません。だけど「自由に作れるはずの農作物が、制度によって作れない」というのは、非常に違和感があります。

農業って、本来、土地や気候、地域性を活かして自由にやるべきもの。だけど、政策に縛られて、農家の「挑戦」がしにくくなっている気がするんです。


■ 兼業農家の課題と、地域農業の将来

私は専業農家ですが、吉見町にも多くの兼業農家さんがいらっしゃいます。みなさん本当に頑張っていて、畑仕事と会社勤めを両立されています。

しかし動画では、この「兼業農家の増加」が、農地の集約や効率的な経営の妨げになっているとされていました。

これは一理あると思います。

農地が細かく分かれ、空き地になったり、耕作放棄地になったりすることで、地域全体の生産効率は確かに下がってしまいます。

一方で、今の経済状況で農業一本でやっていけるのは、ほんの一握りです。だからこそ、農業の収益性を高める取り組みが必要だと感じます。

たとえば、いちご園でも観光農園や直売を通して付加価値を高めています。これからは、農業も「売り方」を工夫していかないと、続けていけない時代です。


■ 潰された「コメ先物市場」に思う、価格の不透明さ

農業をやっていると、「どうしてこんなに価格が上下するの?」と感じることが多々あります。特に資材や肥料は年々高騰しています。

動画では、コメ先物市場の構想が潰されたことが取り上げられていました。

もし価格の「見通し」が立てられる市場が整備されていたら、農家も経営判断がしやすくなるはずです。これは苺でも同じで、相場の安定は非常に大事です。

政治的な事情で市場が潰されてしまうというのは、本当に残念です。


■ 農業輸出と「知的財産」の可能性

動画の最後のほうでは、「日本の農業技術や品種を知的財産として海外に輸出するべき」と語られていました。

これは本当にその通りだと思います。

たとえば、私たちが育てている「とちおとめ」や「あまおう」などのブランド苺も、実は無断で海外で育てられてしまうケースがあるそうです。

ちゃんと品種登録をして、技術とともに輸出できる体制を整えれば、農家にとっても新たな収入源になります。

農産物を「売る」だけじゃなく、「育てる技術」や「ブランド」も輸出する。そういったビジョンが、これからの農業には必要だと強く感じました。


■ 最後に:農業は「制度」ではなく「人」で動く

私は、小さないちご農家です。でも、どんなに仕組みが複雑でも、最後に農業を支えているのは「人」です。

農政に問題があるとしても、それを変えていけるのもまた、人の力。

私たち現場の声が、制度の向こうにいる人たちに届けば、もっとよい方向に向かえるはずです。

ぜひ、農業に関心のある皆さんには、この動画を観て、一度立ち止まって考えてみてほしいと思います。

私たちが育てている作物の「裏側」には、こうした制度や仕組みが関わっていること。
そして、それを変えていくのは、私たち一人ひとりの声と行動なんだということを、少しでも感じてもらえたら嬉しいです。


🍓吉見町でおいしい苺狩りを楽しもう!

もしこの記事を読んで、「丹羽いちご園ってどんなところ?」と気になった方がいらっしゃいましたら、ぜひ遊びに来てください!

完熟苺をその場で摘んで味わえる、笑顔あふれる体験をご用意してお待ちしています!


最後までお読みいただきありがとうございました。
農業を身近に感じてもらえるきっかけになれば幸いです。
これからも、丹羽いちご園をよろしくお願いいたします!

🔗 参考元動画はこちら(YouTube)

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