「根を制する者が農業を制す!」──“収益アップの鍵”とは?

【現場からの声】根を減らさない栽培の真意

こんにちは。埼玉でいちご農家を営んでおります、ひとりの苺農家です。

先日、宮田さんの動画を拝見しました。テーマは「根を減らさない努力」という、まさに私たち生産者にとって本質的でありながら、つい忘れがちな“植物の基本”に立ち返る内容でした。

率直な感想を言わせてもらうと――ものすごく、刺さった。

今回はその動画から学んだこと、自分の現場での気付きや実践のヒント、そして同じ農業者のみなさんに共有したい想いを、ブログという形でお伝えさせていただきます。


目次

■「根を減らさない」って、そんなに大事なのか?

私たち農家は、普段どうしても「葉っぱがどう育っているか」「花が咲いたか」「実が大きくなるか」という“地上部”に目が行きがちです。特にいちご栽培は、花芽分化や果実の肥大に意識が集中するので、正直なところ根の状態までは細かく見ていられない…というのが本音です。

でも今回の動画で語られていた「収穫終盤に根がどれだけ残っているか」という指摘には、はっとさせられました。

「収穫期の後半に、根が枯れて減っていっている作物は、結果的に最終的な収量も落ちる」

言われてみれば、私のいちごでも最終盤に果実の粒が小さくなったり、甘みが弱くなったりするのは、葉っぱや温度のせいばかりじゃなく、根の力が弱まっていたからかもしれない。そんな気付きがありました。


■ラプラスとリーフエナジーの話──実際に効果あるの?

宮田さんの動画では、根を減らさないための資材として「ラプラス」と「リーフエナジー」が紹介されていました。

正直、最初は「またよくある資材の宣伝だろう」と思って見ていたんです。でも、話を聞いているうちにその考えは変わりました。

例えば、ラプラスに含まれているLPS(リポ多糖)という成分。これが植物に微弱なストレスを与えることで、土壌条件に関係なく根の発根を促すって話、ものすごく納得感がありました。

いちごは特に夏の苗取りの時期や、冬場の寒波での根のダメージが課題になります。そんなときに、肥料成分が入っていない刺激資材で、根だけピッと発根を促せるなら――それは確かに理にかなっている。

そして、リーフエナジーについても「植物の基礎代謝を上げて、健康寿命を延ばす」みたいな話がありましたが、これって私たち農家がずっと求めてきた**“収穫期が長く続く作物”**を育てるためのヒントなのではと感じました。


■「いちごをサイヤ人にする」って話、バカにできない

動画の後半に出てきた「サイヤ人化計画」には、思わず笑ってしまいました。

でも、その内容をよく考えてみると実はすごく本質的です。

サイヤ人(ドラゴンボールのキャラクター)は、若い期間が長くて、エネルギーの回復も早い。これを作物に当てはめると、「若々しく、健康で、長く収穫できる状態をキープする」ということになります。

つまり、老化を遅らせる=収量をキープする=収益が上がる

いちご農家としても、早期収穫期だけでなく、春先まで安定して品質の良い果実を収穫できることが非常に重要。そのために、葉っぱだけでなく、根の状態も最後まで維持する。これは、収量確保と品質維持の両輪なんです。


■肥料の使い方、見直す必要あるかも?

動画では「NPKを与えすぎない方が根がよく伸びる」といった話も出てきました。

最初は「いやいや、いちごは養分食いだし、肥料ないと伸びないでしょ」と思いましたが、確かに最近EC値(肥料濃度)が高すぎて根を傷めるケースが増えてきている実感があります。

土の中に肥料が余っているのに、植物が吸えてない。この悪循環を、発根資材によって解消できるなら、それこそが次の時代の農業スタイルかもしれません。


■最小のエネルギーで最大の結果を得る農業へ

いちごは、栽培期間も長く、作業量も膨大。私たち農家は、日々その負担と戦いながら、美味しい苺を育てようと必死です。

だからこそ、根を減らさない努力が長期的な栽培の安定や、収益アップにつながるという話は、現場としても非常に有益だと感じました。

動画で紹介された手法は、決して“裏技”ではありません。むしろ、植物本来の力を引き出す正攻法。だからこそ、継続して使う意味があるんですよね。

■最後に──農家として伝えたいこと

この動画を見て、改めて強く感じたことがあります。それは、もっと“根”のことを真剣に考えなければならないということです。

私たちは普段、目に見えるものに意識がいきがちです。どんな葉が展開しているか、どれだけ実がついたか、糖度は上がっているか…そういった“成果”ばかりを追いかけてしまうことが多い。もちろん、それは農業という仕事上、仕方のないことでもあります。けれど、その成果を生み出している本当の立役者=“根っこ”の存在を、つい見過ごしてはいないでしょうか。

根は土の中にあって見えません。でもその見えない存在こそが、植物のすべての営みを支えている。光合成で生み出したエネルギーを吸い上げ、果実を太らせ、葉を茂らせ、次の世代に命をつなぐ準備までもしてくれている。
根がしっかりしていれば、作物は裏切らない。
この当たり前のことを、私はこの動画を通じてもう一度思い知らされた気がします。

だからこそ、今シーズン終わりかけのいちごハウスを、もう一度じっくり見てみようと思っています。地上部の状態だけでなく、どこまで根が“生きているか”を観察すること。それが、今の自分の栽培がどれだけ正しかったかの「答え合わせ」になるはずですし、来季への“スタート地点”にもなるはずです。

いちごをサイヤ人にする──つまり、健康寿命を延ばし、収穫期を最大限引き伸ばす。
それは夢物語ではなく、根の維持と管理という地に足のついたアプローチから、現実的に目指せるものだと私は思います。

農業という仕事は、決して効率だけで成り立つものではありません。目に見えない“自然の声”を聴き、作物たちの“沈黙のメッセージ”を汲み取る繊細さと、時に挑戦し続ける大胆さの両方が求められます。
だからこそ、「根」に向き合うことは、植物と本気で向き合うことそのものなのです。

“根っこを見れば、その畑の未来が見える。”

そんなふうに感じさせてくれたこの動画に、心から感謝しています。そして、この記事を読んでくださっているあなたにも、ぜひ一度、ご自身の畑の「根っこの声」に耳を傾けてみてほしいのです。

あなたの畑にも、きっと次のシーズンへのヒントが眠っています。
そのヒントを見逃さずに、ぜひ一緒に、より強く・より美味しく・より長く実る農業をつくっていきましょう。

🔗 参考元動画はこちら(YouTube)

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

シェア頂けると嬉しいです!よろしくお願いします!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次