いちごの育苗では、ランナー切り離しや葉かきをいつまで続けるか迷うことがあります。丹羽いちご園では、葉かき(全刈りタイプ)は定植の1か月前に止め、ランナー切りは逆になるべく早く終わらせています。

止める・早める、それぞれの目安と理由を、丹羽いちご園の実践をもとに紹介します。

いちごの育苗、葉かきとランナー切りはいつやめる?

葉かき(全刈り)は定植の1か月前に止める

丹羽いちご園では、全刈りタイプの葉かきを定植の1か月前で止めています。目安は、1週間に新葉が1枚出るペースを想定し、定植のときに新葉4〜5枚がある状態がちょうどいい、という考え方です。

1か月あれば新葉が4〜5枚育つ計算になるため、この時期を区切りにしています。

ランナー切りはなるべく早く行う

一方でランナー切りは、葉かきとは逆に「なるべく早く」行う方針です。ランナーに病気が潜伏している場合、定植後に発症すると対応が難しくなるため、早めに切り離して苗の状態を見分けたいという考えです。

そのため、ランナー切りは育苗の早い段階でなるべく終わらせておく、という考え方をとっています。

いちご育苗の時系列イラスト。ランナー切りはなるべく早く終わらせる短い矢印、葉かき(全刈り)は定植1か月前まで続けて終了する長い矢印で示し、定植1か月前の地点に新葉4〜5枚が目安というマーカーを添えた図

定植前に止める・早める理由

葉かきは「新葉4〜5枚」を目安に逆算する

丹羽いちご園では、定植までに新葉が4〜5枚育っている状態を目安にしています。新葉は1週間に1枚出るペースで考えるため、逆算すると定植の1か月前が葉かきを止める区切りになります。

液肥を止める理由は、肥料が残っていると花芽分化が遅れるためです(いちご育苗で8月下旬に液肥を止める理由)。これは葉かきを止める理由とは別の判断基準です。あわせて読むと、育苗仕上げ期にはいくつかの管理を並行して切り替えていることが分かります。

ランナー切りは病気の早期発見を優先する

ランナーには病気が潜伏していることがあり、定植後に発症すると対応が難しくなります。早めに切り離せば、その時点で苗の状態を見分けられるという考えです。

「いつまで続けるか」と「してよいか」は別の話

全刈りタイプの葉かきをいつまで続けるか、ランナー切りをどれだけ早く終わらせるかという方針の話と、個々の苗に対してその作業をしてよいかという条件判断は、別の話として分けています。

全刈りをしてよいかの条件判断は別記事を参照

丹羽いちご園は全刈りタイプの葉かきを定植1か月前に止めていますが、実際にどんな苗に全刈りをしてよいかという条件判断は、本記事の範囲外です。具体的な可否判断は、いちご苗に強い葉かきをするときの考え方をご覧ください。

ランナーの早切り・遅切りのメリット・デメリット比較は別記事を参照

丹羽いちご園はなるべく早く切る運用ですが、早く切る場合と遅く切る場合の一般的なメリット・デメリットは、いちごのランナーを早く切る場合と遅く切る場合の比較で紹介しています。

定植前に「続ける」作業・切り替える作業

全刈りタイプの葉かきを止めたあとも、傷んだ葉っぱや虫の状況によっては、丹羽いちご園では個別に葉かきをしています。まとめて葉数を減らす全刈りとは違い、苗の状態を見ながら必要な葉だけを取る対応です。

下表の灌水・虫チェックの具体的な進め方は、丹羽いちご園への今回の確認事項には含まれておらず、一般的な育苗管理として紹介するものです。

作業の区分 定植前の扱い
葉かき(全刈り) 定植の1か月前で終了
葉かき(傷んだ葉・虫対応の個別対応) 全刈りを止めたあとも、観察をもとに続ける
ランナー切り 定植前の仕上げ期には基本的に完了している
灌水 培土の乾き方と苗の状態を見ながら続ける
虫チェック 葉裏や新葉を観察し、異変の有無を確認する

灌水・虫チェックは引き続き必要

一般的には、定植前も苗は水を使うため、培土の状態を見ながら灌水を続けるという考え方があります。回数を一律に決めるのではなく、天候や乾き方を観察します。

傷んだ葉や虫の状況を見分けるには、日々の観察が欠かせません。確認する場所やタイミングは、いちご育苗中の虫チェックをご覧ください。

よくある質問

Q. 定植の何日前にランナー切りと葉かきをやめればよいですか?

葉かき(全刈り)は、定植の1か月前を目安に止めます。1週間に新葉が1枚出るペースを想定し、定植のときに新葉4〜5枚がある状態を目安にしているためです。ランナー切りはこれとは別で、病気の早期発見のためになるべく早く終わらせる方針です。

Q. ランナー切りと葉かきをやめたら、水やりも減らしますか?

ランナー切りや葉かきと、灌水は分けて考えます。一般的には、水やりの量や回数は培土の乾き方や天候、苗の状態を見て調整するとされています。

Q. 傷んだ葉っぱがあっても、すべて残したほうがよいですか?

いいえ。全刈りタイプの計画的な葉かきは定植1か月前で止めますが、傷んだ葉や虫がついた葉は、そのあとも状況を見て個別に取り除きます。観察を続けることを大切にしています。

本記事は丹羽いちご園への取材・確認をもとに、AI(Claude)が編集・執筆を行っています。葉かき(全刈り)を止める時期・目安、ランナー切りを早める理由は、いずれも農園本人に確認済みの内容です。