「直売所に出しても思ったほど売れない」「SNSは続かないし、何を書けばいいかわからない」——農家としてやっていくなかで、こんな悩みを感じたことはありませんか。
私自身、丹羽いちご園を始めた頃に同じ壁にぶつかりました。いちごは作るだけではお客さんに伝わらない場面が多く、「知ってもらうこと」も農家の仕事のひとつだと気づきました。
結論からお伝えします。直売やいちご狩り、ネット販売を伸ばしていきたい農家にとって、SNSだけでなくブログやホームページを持っておく価値はあります。SNSは「今すぐ知ってもらう場所」、ブログは「検索から長く見つけてもらう場所」。役割が違うので、両方あると安心です。
とはいえ、最初から完璧なサイトを目指す必要はありません。WordPressで自分の発信場所をひとつ作っておくと、後から販売や集客の土台として育てていけます。この記事では、農家ブログを始めるメリットと手順を、私が実際にやってきた範囲でまとめます。
なお、この記事は農家ブログを始める全体像をまとめたもので、SNSとブログの使い分け・ホームページの必要性・エックスサーバーの具体手順は、それぞれ詳しい記事を本文中に内部リンクで紹介しています。気になる章から読み進めてもらえれば大丈夫です。
この記事でわかること
- 農家にブログが必要かどうか(必要性と価値)
- 農家ブログに何を書けばいいか
- WordPressで始めるためのサーバーの選び方
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農家ブログは必要?結論から言うと「販売する農家」ほど持つ価値がある
まず、農家ブログをやる意味から整理します。すべての農家に必要というわけではありませんが、直売・いちご狩り・ネット販売など「お客さんに直接売る」場面がある農家ほど、ブログを持っておく価値があります。
SNSだけでは情報が流れて消えてしまう
SNSは投稿してすぐ反応が返ってくる楽しさがあります。ただ、タイムラインはどんどん流れていくので、数日経つと自分の投稿は人の目に触れにくくなります。
「いちご狩りの予約開始しました」「保存方法はこうです」と書いても、その瞬間にフォロワーが見ていなければ届きません。私もInstagramを更新していますが、過去の投稿を後から検索で見つけてもらうのは難しいと感じます。
ブログは検索から長く見つけてもらえる
一方でブログ記事は、書いたあとも検索結果に残り続けます。
丹羽いちご園のブログでも、数年前に書いた「いちごの保存方法」「いちご狩りの楽しみ方」といった記事が、今でも毎月検索から読まれています。SNSのように一瞬で流れず、必要としている人がGoogleやYahoo!で探したときに見つけてもらえる。これは農家にとってとても大きい違いです。
直売・いちご狩り・ネット販売の信用になる
はじめての農園で果物を買う、いちご狩りに行く——お客さんからすると少し勇気がいることです。
事前にブログで農園の雰囲気・栽培へのこだわり・園主の顔が見えると、安心して足を運んでもらえます。「知らない農園」ではなく「読んだことのある農園」に変わるからです。農家にホームページが必要な3つの理由でも触れていますが、信用は売上の土台になります。
農家がブログを始めるメリット
もう少し具体的に、ブログを持つことで得られるメリットを整理します。
お客さんに農園の考え方を伝えられる
農家がどんな気持ちで栽培しているか、どこにこだわっているか。これは値札やパッケージだけでは伝わりません。
「なぜ農薬を減らしているのか」「なぜこの品種を選んでいるのか」——文章にして残しておくと、お客さんが共感してくれるきっかけになります。価格競争ではなく、考え方で選んでもらえる農園に近づきます。
直売やいちご狩りの予約前に安心してもらえる
いちご狩りの料金・営業時間・アクセスといった情報は、ブログやホームページに置いておくと、お客さんが事前に確認してから来てくれます。
電話やSNSのDMで毎回同じ質問に答えるよりも、ページにまとめておくほうがお互いに楽です。私の農園でも、いちご狩り料金ページを案内するだけで、来園前のやりとりがかなりスムーズになりました。
ネット販売や取引先への信用につながる
ネットで果物を買う側からすると、「どこの誰が作っているのか」がわからない農園からは買いにくいものです。
ブログで普段の栽培の様子や、農家としての考え方を発信していると、それ自体が信用になります。卸先や新しい取引先と話すときも、ブログを見てもらうだけで自己紹介が一段早く済みます。詳しくは農家がネット販売を始める前にやるべきことでも触れています。
自分の失敗や経験が資産になる
ブログのいいところは、書いた記事が「自分の資産」として積み上がっていくことです。
うまくいかなかった栽培、お客さんから喜ばれた瞬間、就農当初の不安——こうした経験を残しておくと、同じことで悩んでいる新規就農の方の役に立ちますし、自分自身の振り返りにもなります。
SNSとブログの違い
「SNSをやっているからブログはいらないのでは?」と思う方もいると思います。ここを少し整理しておきます。
SNSは今すぐ知ってもらう場所
SNSは「今この瞬間の出来事」を、フォロワーにすぐ届けるのが得意です。今日のいちごの色づき具合、急なオープン情報、収穫した瞬間の写真——リアルタイム性が強みです。
ブログは検索で長く読まれる場所
ブログは反対に、「あとから検索で見つけてもらう」ことに向いています。
「いちご 保存方法」「いちご狩り 服装」「新規就農 補助金」と検索する人は、SNSではなくGoogleで答えを探します。そこに自分の記事が並ぶようになると、農園を知らない人にも届きます。
両方やるなら役割を分ける
結論としては、可能ならSNSとブログを両方使い、役割を分けるのが現実的です。
SNS:今日の出来事・入荷情報・予約状況などリアルタイム情報。
ブログ:保存方法・栽培の考え方・いちご狩りの案内など、長く読まれる情報。
どちらか片方しか時間が取れない場合の選び方は、農家はSNSとブログどっちをやるべき?7年目が答えますで詳しくまとめています。
農家ブログに書くべき内容
「ブログを始めても、何を書けばいいかわからない」という声はとても多いです。私もそうでした。難しく考えず、まずは次の4つの方向から書き始めると続けやすいです。
農園のこだわりや栽培の考え方
どんな品種を、どんな考え方で育てているか。農薬や肥料についてどう向き合っているか。難しい言葉を使わず、自分の言葉で書くことが大事です。
専門家向けではなく、お客さんが読んで「なるほど、こういう人が作っているんだ」とわかる文章で十分です。
収穫時期・販売時期・いちご狩り情報
いちごなら12月〜5月の冬から春の収穫、夏の苗作り、秋の定植——農家には季節ごとに知らせたい情報があります。
「今年の収穫はいつから始まりますか?」「いちご狩りはいつまでやっていますか?」といった、よく聞かれる質問をそのまま記事にすると、検索からも読まれやすくなります。
保存方法・食べ方・レシピ
意外と読まれるのが、お客さんの「食べる側」の情報です。
丹羽いちご園のブログでも、いちごの冷凍保存方法と解凍のコツのような記事は、いちごを買ったあとに検索してたどり着く方が多くいます。買ってくれた人の役に立つ情報を残しておくと、リピートにもつながりやすくなります。
新規就農や農家のリアルな体験談
同じ農業を始めたい人、これから新規就農を考えている人にとっては、「実際に始めた人の話」が一番ありがたい情報です。
うまくいったことだけでなく、失敗したこと・お金で困ったこと・続けるなかで気持ちが揺れた瞬間。書きすぎないバランスで残しておくと、後から読み返したときも自分にとって役に立ちます。
農家ブログを始める手順
ここからは、実際にブログを立ち上げる流れを整理します。大きく分けると、次の4ステップです。
- ブログの目的を決める
- ドメインとサーバーを用意する
- WordPressを入れる
- 最初に書く記事を決める
細かい設定はあとから覚えれば大丈夫なので、まずはこの全体像をつかんでから、各ステップを順番に見ていってください。
ブログの目的を決める
最初に「何のためにブログを書くのか」を決めておくと、続けやすくなります。
直売やいちご狩りの集客につなげたいのか、ネット販売の信用を作りたいのか、新規就農の記録を残したいのか。複数あっても構いませんが、自分なりに優先順位をつけておくと、書く内容に迷いにくくなります。
ドメインとサーバーを用意する
ブログには「住所(ドメイン)」と「土地(サーバー)」が必要になります。
ドメインは「niwa-ichigo.com」のようなアドレスのことで、農園名や屋号に近いものを取っておくと、長く使えます。サーバーはそのドメインの記事を表示しておく場所です。あとから引っ越しもできますが、最初に選んだものを長く使うことが多いので、無理のない範囲で選ぶのが現実的です。
WordPressを入れる
ブログを書くソフトはいろいろありますが、私はWordPressを使っています。
世界中で使われているソフトなので情報も多く、デザインや機能をあとから変えられる柔軟さがあります。最近のサーバーは、契約と同時にWordPressを自動で入れてくれるサービスが増えているので、以前ほど難しくはなくなっています。
最初に書く記事を決める
WordPressが入ったら、いきなり10本書こうとせず、まずは1〜2本だけ書いてみてください。
おすすめは「自己紹介・農園紹介」と「お客さんによく聞かれる質問の答え」です。完璧に書こうとせず、知っていることをそのまま書く。これが続けるための最大のコツだと感じています。
無料ブログではなくWordPressをおすすめする理由
「いきなりサーバーを契約するのは不安だから、まずは無料ブログから」と考える方もいると思います。気持ちはとてもわかります。ただ、農家として長く発信していくなら、最初からWordPressを使うほうが結果的に楽な場面が多いです。
自分の資産として残る
無料ブログサービスは、運営会社の都合でサービス自体が終わってしまうこともあります。書いた記事が突然消える、というのは農家にとってかなりつらいことです。
WordPressなら、ドメインと記事のデータは自分のものとして残ります。長く育てていく前提なら、ここは大事なポイントです。
予約ページや販売ページにつなげやすい
いちご狩りの予約ページ、ネット販売のショップ、お問い合わせフォーム。こういった機能を組み合わせて使いたい場合、WordPressのほうが選択肢が多くなります。
無料ブログだと、外部リンクや独自デザインに制限があることが多く、農家としての発信には少しもどかしさが出やすいです。
検索流入を積み上げやすい
WordPressは、カテゴリ・タグ・パーマリンクなど、記事を整理して残しやすく、内部リンクや検索流入を積み上げる土台を作りやすい仕組みが揃っています。WordPressにすれば自動的にSEOで強くなる、という話ではありませんが、コツコツ書き続ける前提なら、記事を育てやすい環境だと感じています。
「絶対に集客できる」とまでは言えませんが、自分のドメインで書いた記事が後から読まれる実感は、無料ブログよりWordPressのほうが得やすいと感じています。
農家ブログを始めるならエックスサーバーが使いやすい
WordPressを始めるためのサーバーはいくつかありますが、私が丹羽いちご園のブログで使っているのはエックスサーバーです。ほかにも選択肢はあるので、最後は自分が安心できるところを選んでもらえれば大丈夫です。ここでは、私が実際に使ってみて感じた点だけお伝えします。
WordPressを始めやすい
申し込みの流れの中で、WordPressをまとめてインストールしてくれる仕組みがあります。これがあると、最初の難しい部分をかなり省略できます。
正直、私もパソコンの設定はあまり得意ではありませんが、画面の案内に沿って進めるだけで、ブログの土台ができました。
表示速度と安定性がある
農家ブログは写真を多く使うので、ページの表示が遅いと読まれずに離れてしまうことがあります。
エックスサーバーを使ってからは、表示が遅いことで悩んだ記憶があまりありません。長く運営するうえで、ここはストレスが少ない要素のひとつです。
農家ブログ初心者でも管理しやすい
サーバーの設定画面は、初めて見ると専門用語が並んでいて少し怖い印象があります。エックスサーバーの管理画面は、必要な項目がまとまっていて、初心者でも触りやすいと感じます。
分からないところは検索すれば情報が出てくるので、調べながら進められる安心感もあります。
私もエックスサーバーで運営している
丹羽いちご園のブログ(このサイト)も、エックスサーバーで動かしています。記事数が少しずつ増えても、表示や管理で困ったことがほぼなく、長く付き合いやすいサーバーだと感じています。
申し込みからWordPress公開までの具体的な手順を画面付きで確認したい方は、エックスサーバーの始め方|農家が教えるWordPress公開手順に流れをまとめています。先に手順だけ眺めておくと、自分にもできそうかどうかイメージしやすくなります。
農家ブログで失敗しやすいポイント
最後に、私自身が「最初にこれを知っておきたかった」と思うポイントを3つ書いておきます。これからブログを始める方の参考になれば嬉しいです。
売るものを決めずに記事を書いてしまう
ブログは、何を売りたい農園なのかを決めずに書き始めると、方向性が散らかりやすくなります。
いちごを直接買ってもらいたいのか、いちご狩りに来てもらいたいのか、加工品なのか。優先順位を決めておくと、自然と「どんな記事を書くか」も見えてきます。農家が直売を始める方法もあわせて読むと、売り方とブログのつなげ方がイメージしやすくなると思います。
農作業日記だけで終わってしまう
「今日は◯◯をしました」という日記だけだと、家族や常連さん以外には届きにくい記事になりがちです。
同じ日の話でも、「なぜこの作業をするのか」「お客さんにどう関係するのか」を一言添えるだけで、検索から訪れた人にも伝わる内容に変わります。日記が悪いわけではなく、少しだけ読み手を意識するくらいで十分です。
更新できない完璧主義になる
一番もったいないのは、「ちゃんとした記事を書こう」と思いすぎて、結局1本も公開できないパターンです。
農作業の合間に書くブログなので、最初から完璧は目指さなくて大丈夫です。あとから書き直すこともできるので、まずは公開して、少しずつ整えていく。これが続けるためのコツだと思います。
実際に始めるときのサーバーを見ておく
ここまで読んで「自分も農家ブログを始めてみようかな」と思った方向けに、私が使っているサーバーの情報も置いておきます。
まずは料金や機能だけ確認しておくのもおすすめです。すぐ契約しなくても、見比べておくと選びやすくなりますし、「自分にも始められそうか」のイメージがつかみやすくなります。
私が丹羽いちご園のブログ運営で使っているサーバー
農家ブログを始めるなら、まずはWordPressを動かす場所が必要です。私が使っているのはエックスサーバーです。最初は難しく感じるかもしれませんが、WordPressの設定がしやすく、農家ブログを長く育てていく土台として使いやすいと感じています。料金プランや特典は時期によって変わるので、まずは公式ページで今の内容を眺めてみてください。
まとめ:農家ブログは「作るだけ」ではなく、売る導線まで考える
最後に、この記事の内容を簡単に振り返ります。
- 直売・いちご狩り・ネット販売をしていく農家ほど、ブログを持つ価値がある
- SNSは「今すぐ」、ブログは「検索で長く」と役割が違う
- 書く内容は、農園のこだわり・季節情報・保存方法・体験談などから
- 無料ブログより、WordPressで自分の場所を持つほうが資産になりやすい
- サーバーは、自分が安心して長く使えるものを選ぶのが大事
- 完璧を目指さず、まず1本書いて公開することが続けるコツ
農家は作るだけでなく、知ってもらうことも仕事のひとつです。ブログはすぐに売上を作る道具というより、農園と読者の関係を少しずつ育てていく場所だと感じています。
丹羽いちご園のブログが、実際にどう来園案内につながっているかが気になる方は、いちご狩り料金ページもあわせて見てみてください。ブログから予約ページにつなげる流れの一例になると思います。
今日から少しずつ、自分の発信場所を育てていきましょう。

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