脱サラ農家が後悔する1つのこと【就農当初を記録しなかった話】

7年前の春、私は工場の仕事を辞めて農家になりました。

背中を押したのは大きな出来事ではありません。毎朝同じ時間に出勤して、同じラインで同じ作業をこなして、同じ時間に退勤する。その繰り返しの中で、「このままでいいのか」という漠然とした不安がじわじわと積み重なっていったのです。

はっきりした理由なんてなかった。でも、このままでは後悔すると思った。それだけが確かでした。

あれから7年。今でも農家を続けています。農業を選んだことに後悔はありません。ただ、一つだけ「残しておけばよかった」と今でも思うことがあります。今日はその話を書かせてください。

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目次

最初の畑は、腰より高い雑草だらけだった

農地を手に入れたとき、そこは人が入れないほどの雑草だらけでした。

腰より高い雑草が一面に生い茂っていて、どこに何があるかもわからない状態。前の所有者がどのくらい放置していたのかは聞きませんでしたが、見ただけで数年は使われていないと分かりました。

正直、最初に見たときは言葉が出ませんでした。脱サラして、貯金を使って、やっと手に入れた農地がこれか、と。

でも不思議なことに、落ち込むより先に「やるしかない」という気持ちが来ました。逃げる場所もないし、ここを諦めたら農家になる夢も終わる。覚悟が決まった瞬間だったと思います。

📌 農家の実感
あの瞬間の「やるしかない」という感覚は、今でも鮮明に覚えています。でも、写真は一枚も撮っていませんでした。

半年以上かけて、畑を取り戻した

雑草の撤去は想像をはるかに超える作業でした。

毎日畑に出て、刈って、引いて、運んで、また翌日も同じことをする。それが半年以上続きました。途中で何度も心が折れそうになりました。梅雨の時期は刈っても刈っても雑草がすぐに伸びてきて、「本当にきれいになる日が来るのか」と思ったこともあります。

それでもやり続けて、ある日ふと気づいたら土が見えていました。あの感覚は今でも忘れられません。土が見えた、ただそれだけなのに、思わず声が出ました。

やり切ったときの達成感は、工場で仕事を終えたときとは全然違う感触でした。自分が動いた分だけ、目の前の景色が変わる。農業の醍醐味をはじめて実感した瞬間だったかもしれません。

⚠️ これから就農する方へ
雑草の撤去は体力だけでなく、精神的にもきつい作業です。一人でやろうとせず、地域の農家さんや農業委員会に相談して、機械を借りたり助けを求めることを最初から考えておいてください。

7年後に気づいた「後悔」

農家になって7年が経ちました。今では農園も軌道に乗り、いちご狩りのお客さんも来てくれるようになりました。

ところが最近、ふとあの頃のことを話す機会があって、気づいてしまったのです。

写真が一枚もない。

腰まで雑草が生えていたあの畑の写真がない。毎日泥だらけで作業していた自分の写真がない。きれいになっていく過程の写真がない。やり切ったときに見た「土だけの畑」の写真がない。

日記もありません。「今日は雑草を2袋分刈った」「今日は腰が痛くてほとんどできなかった」「雨で3日間休んだら元に戻っていた」。そういう記録が何も残っていないのです。

残しておきたかったものなぜ必要だったか
Before/Afterの写真農地がどれだけ変わったか、自分の目で確認できる証拠になる
心情の変化の日記「なぜ農家になったか」を言葉で説明できるようになる
作業記録次に農地を整備するときの参考になる
失敗のメモ後から来る就農者へのリアルなアドバイスになる

記録がないと、何が困るのか

「写真や日記がなくても、農業はできる」と思うかもしれません。確かに作物は育ちます。

でも記録がないと、こんな場面で困ります。

① 自分の成長を実感できない

農業は結果が出るまでに時間がかかります。だからこそ、小さな変化を記録しておくことが心の支えになります。

「3ヶ月前はあんなに雑草だらけだったのに、今はここまできれいになった」という事実が写真で残っていれば、どれだけ辛くても続けられます。私はその証拠を何も残していなかったので、折れそうになったとき自分を励ます材料がありませんでした。

② 人に農業の良さを伝えられない

「なぜ農家になったのか」を言葉にするのは、思った以上に難しいものです。

取材を受けたとき、農業体験に来たお客さんと話すとき、就農を考えている人に相談されるとき。その都度、記憶だけを頼りに話すしかない。日記があれば、あの頃の自分の言葉でリアルに伝えられたはずです。

③ 後から来る人の役に立てない

私が最初に困ったことを、次の就農者も同じように困っています。でも具体的な記録がないと、「大変でしたよ」という抽象的なアドバイスしかできません。

「○月に草刈りをすると根ごと取りやすい」「この道具は役に立たなかった」というリアルな情報こそ、価値があります。それが記録として残っていれば、地域の農業にも貢献できるのです。

今からでも遅くない。記録する習慣を始めてほしい

これを読んでいるあなたが、就農前や就農したばかりの方であれば、今すぐ記録を始めてください。

スマホのカメラで十分です。毎日撮らなくていい。週に一度、畑の写真を撮るだけでいい。「今日こんなことがあった」を3行でいい。それだけで1年後、5年後の自分に大きな財産が残ります。

私が今おすすめしているのは、ブログとして記録を積み上げる方法です。SNSは流れていきますが、ブログは残ります。検索して誰かに見つけてもらえます。記録しながら農園の集客にもつながります。

私自身、もっと早く始めていればよかったと思っています。就農当初の雑草だらけの畑からの軌跡を、ブログに全部残しておけばよかった。それが今の私の一番の後悔です。

まとめ

  • 工場勤務の漠然とした不安から、脱サラして農家になった
  • 最初の農地は腰より高い雑草だらけで、片付けに半年以上かかった
  • やり切ったときの達成感は今でも忘れられない
  • でも写真も日記も何も残っていない
  • 記録は自分の成長の証拠になり、人への説明になり、後輩への財産になる
  • 今、農業を始めるあなたには、最初から記録してほしい

あの雑草だらけの畑の写真があれば、今日この記事にそれを載せることができました。でも私には何もない。だからこそ、同じ後悔をしてほしくないのです。

ブログを始めるならWordPressがおすすめです。農業の記録もお客さんへの発信も、一つの場所でできます。私が実際に使っているレンタルサーバーはエックスサーバーです。農家仲間にも何人か紹介しましたが、みんな使いやすいと言っています。

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