【苺農家・丹羽の独り言】
5月に“梅雨”が来る!?カーメン君の緊急動画を観て、苺農家が思ったこと。
皆さん、こんにちは。
埼玉県吉見町で「丹羽いちご園」を営んでおります、丹羽です。
私のブログをいつも楽しみにしてくださっている皆さん、今日も来てくれてありがとうございます。
いちご狩りシーズンが終盤を迎え、ほっと一息つくこの時期、私もようやく少し時間が取れるようになりまして、今日はいつも楽しく拝見している「カーメン君」のYouTubeチャンネルで気になる動画を観ましたので、苺農家の立場から感じたことをたっぷりお話ししようと思います。
この5月、全国的に「長雨」「曇り空」が続いています。
私たち農家にとって、空模様は一日中気にし続けるものですが、今年の5月は本当に異常だと肌で感じていました。
そんな中、カーメン君が「緊急」と題して解説してくださった内容は、私にとっても、全国の農家にとっても、家庭菜園を楽しむ皆さんにとっても、非常にタイムリーな警鐘だったと思います。
私たち苺農家からすると、「ああ、やっぱりそうか……」と、思わず動画を観ながらため息が出るような内容でした。
今日は農家目線で、この異常気象が私たちの「いちご」にどんな影響を及ぼしているのか、また、どんな植物でも参考になるカーメン君のアドバイスを受けて、私なりの気づきや対策について、少し熱く語らせていただこうと思います。
5月に来る“梅雨”は本当に厄介
カーメン君も話していましたが、5月にこの天候は本当にタチが悪いです。
植物が「これからどんどん育つぞ!」とスイッチを入れる時期に、光がない。
これほど辛いことはありません。
いちご農家にとって、いちご狩りシーズンの終盤から翌シーズンの苗作りまでの間、この時期の天気は非常に重要です。
いちごは春に実をつけ終わった後、親株が「来年に向けた苗作り」を始める大事な時期になります。
この5月から6月にかけて「ランナー」と呼ばれる子株を伸ばし、その子株を育てて来シーズンに向けた苗として確保していくのです。
この時期、日照不足や長雨が続くと、ランナーの発生が鈍ったり、子株の生育が悪くなったりします。
親株自体が元気を失い、葉っぱが病気にかかったり、株が弱ったりするリスクも高まります。
特にハウス栽培をしている私たちにとっては、日差しが弱いとハウス内の温度管理が難しくなり、湿度も上がりやすくなります。
湿度が高く、温度が低い状態が続くと、灰色カビ病やうどんこ病といった病害が一気に広がるリスクがあるのです。
「え?ハウスなら天気に関係ないんじゃないの?」
そう思われる方も多いですが、実際は全く逆です。
ハウスは太陽の力を最大限に活かすための設備ですから、日が出なければただのビニールの囲い。
外より蒸し暑く、病気が出やすい環境にもなりやすいんです。
徒長、病害虫、実付き不良…他人事じゃない被害
カーメン君が動画で話していた「徒長」という現象。
これも苺農家にとって無視できません。
いちごのランナーや新芽が、光を求めて間延びしてしまうことがあります。
こうなると株が弱々しくなり、葉っぱも薄く柔らかくなり、虫や病気に狙われやすくなるんです。
カーメン君は、ダンゴムシやナメクジの被害についても触れていました。
いちご農家にとってもこれは大問題。
湿度が高く、柔らかい葉っぱが出てくると、ダンゴムシやナメクジだけでなく、アブラムシやハダニ、コナジラミといった害虫たちが一気に増えます。
また、家庭菜園でも人気のトマトやキュウリなど夏野菜への影響も深刻とのことでしたが、これも他人事ではありません。
実は、いちごも「実をつける植物」ですから、同じように栄養不足やストレスが実付きに直結します。
今シーズンのいちご狩りで「今年は実が少ないね」とお客様に言われるのが、農家として一番つらい瞬間です。
ですが、こうした気候の影響を受けやすい作物だからこそ、日頃からの管理やリスク回避が求められます。
いちご農家が今できる対策とは?
では、私たちはどうやってこの状況を乗り越えるのか。
苺農家として私がこの動画を観て、改めて「やるべきこと」として感じたのは、次の3つです。
- ハウス内の湿度・換気管理の徹底
晴れ間が少ないからこそ、少しでも太陽が出たら全開で換気をして湿度を下げ、風通しを良くすること。
曇りの日でも強制的に送風機を回し、病気のリスクを減らす。 - 株の状態チェックと早期対応
徒長や病害虫の兆候を見逃さず、早めに葉かきや薬剤散布などで対処する。
「いつか晴れるだろう」と油断せず、日々観察を怠らない。 - 液肥や活力剤でのサポート
光合成が不十分な分、液体肥料や活力剤を活用して、株に必要な栄養をしっかり与える。
「葉面散布」なども取り入れて、株全体を元気に保つ努力をする。
いちごだけじゃない、すべての“育てる人”にエールを
カーメン君は、草花、樹木、宿根草、野菜と、ジャンルごとに影響を丁寧に解説されていました。
そのどれもが、私たち苺農家にも通じる内容で、非常に参考になりました。
家庭菜園を楽しんでいる方、園芸を趣味にされている方、お庭の草花を大切に育てている方。
皆さんもきっと、今年のこの気候に頭を悩ませていることでしょう。
でも、こうして情報を発信してくださる方がいることで、「自分だけじゃないんだ」と思えますし、具体的な対策を知ることで前向きになれますよね。
私も農家の端くれとして、これからも皆さんに「安心して楽しめるいちご狩り」をお届けできるよう、日々頑張っていきたいと思います。
そして、また来シーズン、元気ないちごをたくさん実らせて、皆さんに「美味しい!」と笑顔になっていただけるように。
まとめ
最後になりますが、農家である私がカーメン君の動画を観て改めて感じたのは、「気候の変化に文句を言っても始まらない」ということ。
自然を相手にする以上、思い通りにならないのが当たり前。
だからこそ、知恵を絞り、手をかけ、前向きに挑み続けるしかないんです。
皆さんの庭やベランダ、畑でも、同じように植物たちが光を待ち、元気に育とうと頑張っています。
どうか皆さんも、カーメン君のアドバイスを参考に、大切な植物たちを見守ってあげてください。
そして、少しでも不安や悩みがあったら、私のブログにも気軽に遊びに来てくださいね。
また、いちご狩りシーズンが始まったら、ぜひ吉見町の「丹羽いちご園」にもお越しください。
自然の恵みをいっぱい受けて育った、真っ赤な完熟いちごをご用意して、皆さんをお待ちしております。
それでは、また次回の更新をお楽しみに。
🔗 参考元動画はこちら(YouTube)
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