農業の常識をぶち壊す!水なし米作りに挑む福井の農家、そのリアルな戦いとは

畑で育つお米!?福井の挑戦に感じた、農業の未来と可能性

こんにちは、埼玉県吉見町で「丹羽いちご園」を営んでいる丹羽です。
今回ご紹介するニュースは、私自身、農業者としても一人の消費者としても、非常に心を動かされた取り組みでした。福井県で「畑」でお米を作るという、従来の常識を覆すチャレンジです。

この記事を読んで、私が感じたこと、いちご農家として見えてきた可能性、そして日本の農業の未来について、今日はじっくりお話ししたいと思います。


目次

■ 水田じゃない、畑でお米を育てるという驚き

まず、この記事を読んで「え!?畑で米が採れるの?」と素直に驚きました。
お米は“水田で育つもの”というのは、日本人なら誰もが持っている常識でしょう。
私もいちご農家としてハウスで土や水の管理をしていますが、米作りといえば田んぼに水を張って苗を植えるもの、という固定観念がありました。

ところがこの記事では、あえてその水田ではなく「畑」で米作りに挑戦している。しかも福井県の山あいにある、麦や蕎麦すら育たなかった荒れた農地を使って。

これだけでもう「なんて面白い取り組みなんだろう」と、私はワクワクしてしまいました。


■ 水を使わず、自然の力を活かす工夫に感心

特に感心したのは、水を張れない畑という条件の中で「種に菌を付着させて根の吸水力を高める」という技術です。

いちごも水管理はとても重要で、私たち農家は「水をやる」「やりすぎない」「湿気を管理する」といった細かい調整を日々続けています。
その点、この福井の農家さんは、水が確保できないというリスクを逆手に取り、自然の力を活かす工夫をされている。

「水をあげられないなら、根を強くする」という発想には本当に脱帽です。
しかも、根が畑のような固い土に適応し、毛細血管のように広がることで水分や養分を吸収していくという説明を聞き、私の頭の中にはいちごの根っこがハウスの土の中で頑張って広がっていく姿と重なりました。

これって、私たちいちご農家もヒントにできる技術じゃないかと、勝手に想像力を膨らませてしまいます。


■ 荒れた農地が「資源」に変わる可能性

もうひとつ感動したのは、誰も作らなくなってしまった荒地を「もったいない」と思い、再び農地としてよみがえらせようとする農家さんの思いです。

埼玉でも、昔は畑だったのに住宅地や資材置き場になってしまった土地をよく見かけます。
また、跡継ぎがいない、収益が出ないといった理由で放置されている畑や田んぼも少なくありません。

でも、この記事のように「どうせ無理」とあきらめるのではなく、「ここでもしかしたら新しい農業ができるんじゃないか」と挑戦していく姿勢は、本当に大事だと感じました。

いちごも同じです。うちのいちご園だって、最初から順風満帆だったわけではありません。

「農地は使い方次第で可能性が広がる」
この記事はそのことを改めて教えてくれた気がします。


■ 野生動物との戦いは、どこも同じ

とはいえ、良いことばかりではなく、イノシシや鹿による被害が大きかったという現実も紹介されていました。
これ、うちも他人事じゃありません。

実は、いちご狩りのシーズン外でも畑やハウス周辺では、タヌキやハクビシン、時にはカラスやムクドリなど、野生動物による被害はつきものです。
完全に防ぐのは難しく、農家にとって「いかに動物たちと上手に共存するか」は永遠のテーマです。

今回の福井の農家さんも「8割やられた」とのこと。
正直、心が折れそうになるレベルの被害ですが、それでも「これでいけるな」と前向きに捉えている姿に、農家魂を感じました。

農業は自然相手、動物相手、天気相手。
だからこそ、思い通りにいかないことを受け入れながら、次に進むしかないんですよね。


■ 「味」でしっかり証明された取り組みの価値

そして何より素晴らしいと思ったのは、ちゃんと「味」で結果を出していること。
「もちもちしていて悪くない」という評価を聞いて、私もぜひ食べてみたくなりました。

見た目だけ、収量だけ、手間だけではなく、最終的に「食べておいしいかどうか」が一番大事です。
いくら面白い取り組みでも、味が伴わなければ消費者には届きません。

いちご狩りに来てくださるお客様も、真っ先に口にするのは「おいしい!」という言葉です。
やっぱり農家として「おいしさ」は絶対に譲れないもの。
それをしっかりクリアしているこの挑戦は、間違いなく次のステージに進む価値があると、私は思います。


■ 農業の未来を考えるヒント

この記事を読んで、私自身も「いちごだけじゃない、新しい農業の形に挑戦したい」という気持ちがムクムクと湧いてきました。

例えば、いちごハウスの空きスペースを使って別の作物を育ててみるとか、地域の使われなくなった畑を再生してみるとか…。
今まで「うちには関係ない」と思っていたことも、実は視点を変えればチャンスになるのではないか、そう考えさせられました。

農業は決して「古い」ものでも「大変」なものでもなく、工夫次第で無限の可能性がある。
この記事の福井の取り組みは、日本全国の農家、そしてこれから農業を始めたいと考えている人たちに、大きな勇気を与えるものだと思います。

■ 最後に、いちご農家から心からのエールを

福井県で「畑で米作り」という常識破りの挑戦に取り組んでいる、阪井嘉隆さん。
同じ農業に携わる者として、そして一人の農家として、本当に心から拍手を送りたい気持ちでいっぱいです。

荒れた農地を「もったいない」と感じ、誰もが「無理だろう」と思うような場所であえて米作りに挑む——。
正直、言葉にすれば簡単に聞こえるかもしれませんが、実際は想像を絶する苦労や不安、葛藤があったはずです。
それでも「やってみよう」と決め、行動し、形にしていくその姿勢は、私自身も大きな刺激を受けました。

いちご農家の私も、「同じハウス、同じ土、同じ品種」…そんな“安定”に甘えてしまいそうになることもあります。
でも、この記事を読んで、改めて気づかされました。
農業に“これで終わり”なんてないんだ、と。
常に「もっと良くできるかも」「もっと面白いことができるかも」と、探求を止めてはいけないんだ、と。

そして今、心から思います。
「斉さん、あなたが育てたそのお米、ぜひ食べてみたい」と。
どんな風味なのか、どんな食感なのか、いちご農家としてだけじゃなく、一人の消費者としても興味津々です。

読者のみなさんも、ぜひ今回ご紹介したような全国の農家の挑戦に、もっと目を向けてみてください。
農業というと、どうしても“身近じゃない”とか、“スーパーに並んでいるだけのもの”と感じてしまうかもしれません。
でも、その一粒の米、一粒のいちご、一つの野菜や果物の裏側には、数え切れないほどの挑戦や物語が詰まっています。

ぜひ、農家を「応援したい」と思ってもらえるきっかけになれば嬉しいです。
そして、もし機会があれば、実際に足を運び、農家の話を聞き、採れたてのものをその場で味わってみてください。
農業がもっと身近になり、もっと面白く感じてもらえるはずです。

私、丹羽いちご園も、まだまだ挑戦の途中です。
毎年、「今年こそもっと甘く」「もっと美味しく」「もっと楽しいいちご狩りを」と、試行錯誤を続けています。
これからも、いちごに愛情をたっぷり注ぎながら、皆さんに「やっぱり丹羽いちご園はおいしい!」と言っていただけるよう、努力を重ねてまいります。

また次回のブログでも、農業のリアルや、いちご作りの裏話、そして農家目線で気になったニュースや取り組みを、皆さんと一緒に共有していきたいと思っています。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

🔗 参考元動画はこちら(YouTube)

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