「農業×福祉×地域再生」──日本の未来を背負う、新しい社会モデルを見た日
今回は、兵庫県丹波で行われた対談内容を拝見し、心から湧き上がる感情と、社会構造の変革を感じたので、それについて深く掘り下げてお話ししたいと思います。
1. 日本社会の危機的現実
まず私がこの映像から強く感じたのは、「もう待ったなしだ」という切迫感です。現在、日本の農業従事者の平均年齢は約70歳。10年後、多くの農家が現役を退き、日本の食糧自給体制は崩壊しかねません。そんな中で、農業を“希望”として再定義しようとする今回のプロジェクトは、まさに時代の転換点だと感じました。
しかもこの取り組みは単なる農業振興ではなく、「福祉」と「地域再生」と結びついている。生活困窮者、精神的に追い詰められた人々、社会からこぼれ落ちてしまった人々──こうした方々を再び社会の“力”として立ち上がらせようという構想には、率直に感動を覚えました。
2. 農業の再評価──「かっこいい仕事」への逆転発想
「農業は今、最もかっこいい仕事だと思う」
この発言が、何度も胸に刺さりました。かつて農業は、“ダサい”“きつい”“儲からない”と敬遠されがちでした。しかし、今、地球規模で食料不足の兆しがあり、輸入肥料に依存した農業の持続可能性が問われています。
そんな中で、自然栽培というスタイルを選び、肥料も農薬も使わず、土と生き物と共に育てるという哲学は、まさに現代の“サステナビリティ”そのもの。しかも、植物の成長を「人の回復」や「自立支援」に喩えて語る姿に、人間と自然の本質的な共生を感じさせられました。
3. 「社会的孤立」と「自然」の架け橋としての農
多くの生活困窮者が都市に集まり、支援制度にすらアクセスできず、孤立を深めています。大阪を拠点とした生活支援を行うこの社長が、こうした人々に「農業を通じた再出発」を提案していることは、これまでにない斬新なアプローチです。
特に印象的だったのは、「支援とは“施す”ことではなく、“寄り添い、共に育つ”ことだ」という姿勢。これは単なる支援者と被支援者の関係を超えた“共創”です。つまり、共に畑を耕し、共に汗をかき、共に食卓を囲むことで、自己肯定感を回復させるのです。
4. 「田舎が都会になる」未来構想
「田舎が都会で、都会が田舎になる」──これが私にとって、今回の話の中で最もビジョンを感じたキーフレーズです。
私たちは長年、東京一極集中の流れに慣らされ、都市こそが豊かであり、成功の象徴だと信じ込んできました。しかし現実は、都市部は家賃が高騰し、働いても生活が苦しいという状況に陥っています。一方で、地方には空き家と荒れた土地が無数にあります。
ここに人を移動させ、農業を通じて地域を再生し、子供たちには自然に触れながら育ってもらう。そしてその中で新たな雇用やコミュニティを創出する──これはまさに“逆都市計画”であり、新しい国家戦略に値する構想だと私は感じます。
5. 経済と心の豊かさの両立
面白いのは、登場する皆さんが口々に「今が一番人生で楽しい」と言っている点です。都会のカフェやブランド品では得られなかった心の充足が、農と共にある暮らしの中で実現されている。これは経済的な成功だけでは測れない、「本質的な幸福」に向かう重要なヒントだと思います。
私たちが本当に求めているのは、「選べる暮らし」なのかもしれません。物質的な豊かさを追い求めるのか、それとも自然と調和し、仲間とともに汗を流す日々を選ぶのか──この二者択一ではなく、その選択肢を持てる社会を築くべきです。
6. 最後に──これは“農業革命”であり、“人間回復の革命”だ
私は、今日拝見した対談の一言一句に、ただの活動報告やドキュメンタリー以上のものを感じました。それは、今この国に生きるすべての人への問いかけであり、呼びかけでもある。「私たちはどんな社会を次の世代に残すのか?」という、極めて根源的な問いに対する、明確な“行動”による答えです。
この取り組みは、テクノロジーが世界を一変させた「産業革命」でも、法と統治が変わった「政治革命」でもありません。これは“価値の革命”です。とりわけ、“人の価値”に対する再定義が、静かに、しかし確実に始まっている。
社会的に孤立した人々──たとえば生活困窮者や引きこもり、精神的に傷ついた人たち。これまでの社会では「弱者」「支援対象」として“与える側”と“受け取る側”に分けられ、どこかで線引きされてきました。しかしこの対談で示されたビジョンは違います。
彼らを「資源」だと捉え、「日本の未来を共に支える仲間」だと位置付ける。
この視点の転換は、福祉の枠も、農業の枠も、行政の枠も超えています。まさに“共生社会”の理想形を、農の現場から描こうとしているのです。
さらにこの運動には、理想論だけではなく、具体的な「戦略」があります。生活支援と農業支援を一体化し、制度の中で人々の自立を促し、収穫物を流通・加工・販売へと繋げていく。その収益を再び福祉へ投資し、地域の活性化と人口流動を生み出す。
──これは、いわば「循環型社会構造の再構築」です。
都会と田舎。経済と心。生産と共感。これらを結びつける“線”が、今まさに土の中から伸び始めている。
それを実現させるのが、「農業」──人間が人間らしくあるための原点であり、人と自然のつながりを取り戻す唯一の現場です。
都会では生きづらさを感じる人が増え、地方では土地とノウハウが失われつつある。ならば、この二つをつなぐ橋こそが、「農業」であるべきです。そしてその橋は、単なるライフスタイルの選択肢ではなく、「再生の道」そのものだと、私は確信しています。
この国に生きる一人として、私はこの革命の一端を担いたい。手を汚し、汗をかき、そして誰かと笑い合える、そんな社会をもう一度取り戻すために。
農業は人を救う。人が人を救う。その“希望の循環”が、確かに始まりました。
この一歩が、やがて“国家の姿”を変えるほどの大きなうねりになる──そう信じてやみません。
🌱 ご精読、心より感謝いたします。あなたも、この革命に参加しませんか? 🌱
🔗 参考元動画はこちら(YouTube)
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