「農業を始めたけれど、確定申告って何をすればいいんだろう…」
農作業には慣れてきたのに、確定申告になると急に手が止まる。そんな方はとても多いです。
私も最初の頃は、領収書や売上の記録をどう管理すればいいかわからず、申告前に慌てた経験があります。農業は現金売上・直売・資材購入・設備投資が混ざりやすくて、あとから整理しようとすると思ったより大変です。
この記事では、農業を始めたばかりの方向けに、農家の確定申告の全体像と「最初にやるべき3つの準備」を農家目線でまとめました。
難しい税金知識を全部覚える必要はありません。まずは売上・経費・お金の流れを毎月整理することから始めてみてください。
この記事は農家目線での一般的な整理です。実際の申告内容は状況によって変わるため、判断に迷う場合は税務署や税理士に確認してください。
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農家も確定申告が必要になるケースがある
農業で所得が出る場合は、確定申告が必要になることがあります。
農業所得(売上から経費を引いた金額)が一定額を超えると、申告対象になるケースがあります。会社員の副業として農業をしている場合も、副業所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要になることがあります。なお、所得税の申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になる場合があります。詳細は市区町村の窓口や税務署にご確認ください。
「自分は申告が必要か」「どの範囲が対象になるか」が不安な場合は、税務署に確認するのが一番確実です。状況によって判断が変わるため、まず相談してみることをおすすめします。
農家の確定申告でまず見るのは「農業所得」
農業の確定申告では、「農業所得」を計算するところから始まります。
計算の考え方はシンプルです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 農業所得の基本 | 農業による売上(収入)− 農業にかかった経費 |
| 青色申告の場合 | 青色申告決算書(農業所得用)を作成する |
| 白色申告の場合 | 収支内訳書(農業所得用)を作成する |
国税庁でもこの流れで案内されています。どちらの申告方法を選ぶかによって、使う書類が変わってきます。
初心者が最初にやるべき3つの準備
確定申告で一番大変なのは「申告書の記入」ではなく、「必要な情報を集める作業」です。
日々の記録を残しておけば、申告作業はかなり楽になります。まず始めてほしい準備を3つ紹介します。
① 売上を記録する
農業は売上の形がさまざまなので、あとから思い出すのが難しいです。
直売・出荷・ネット販売・イベント販売など、現金での売上もあれば振り込みもあります。
売上があった日に「日付・金額・販売場所」をシンプルにメモしておくだけで、年間の売上集計がずっと楽になります。専用のノートでも、スマホのメモでも構いません。
② 経費の領収書を残す
農業は細かい支出が多いため、領収書を残すだけで申告前の作業量が大きく変わります。
苗代・肥料・農薬・資材・燃料・修理費など、農業関連の支出は数えると思ったより多いです。
封筒や箱に月ごとにまとめておくだけでも十分です。捨てないことが最大のルールです。
③ 農業用のお金の流れを分ける
農業と家庭のお金が混ざっていると、あとから売上と経費を追うのが大変になります。
できれば農業専用の口座やカードを1枚用意しておくのがおすすめです。
私の場合、農業用の口座とカードを会計ソフトと連携してみたところ、整理作業が楽になっただけでなく、「こんなものにお金が出ていたのか」と気づいた無駄な支出がいくつかありました。お金の流れを見える化すると、経費の見直しにもつながります。
農家の経費で迷いやすいもの
「何が経費になるか」は初心者が一番迷う部分です。
農業でよく出てくる支出を整理しました。
| 種類 | 例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 農業資材 | 苗・肥料・農薬・マルチ・ビニール | 比較的わかりやすい経費 |
| 農機具・設備 | 農機具・ハウス・灌水設備 | 高額のものは減価償却になる場合あり |
| 燃料・車両 | ガソリン・軽トラの維持費・修理費 | 農業専用でない場合は家事按分が必要なケースも |
| その他 | 農業関連の書籍・研修費・通信費の一部 | 農業との関連性の説明が必要なケースも |
農機具や設備は高額になりやすく、「一括で経費にするか、減価償却にするか」で扱いが変わることがあります。また、軽トラや農作業場を家庭でも使っている場合は「家事按分」の考え方が出てきます。
判断に迷うものは、税務署や税理士に確認するのが安心です。自己判断で処理すると、後から修正が必要になるケースもあります。
白色申告と青色申告の違い
確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。どちらを選ぶかで、記帳の手間と控除額が変わります。
| 比較項目 | 白色申告 | 青色申告 |
|---|---|---|
| 記帳の手間 | 比較的少ない | 複式簿記が必要(ソフトで対応可) |
| 事前申請 | 不要 | 「青色申告承認申請書」の提出が必要 |
| 特別控除 | なし | 最大65万円(要件あり) |
| 向いている人 | まず始めやすい・小規模な方 | 節税効果を活かしたい方 |
国税庁では、青色申告特別控除として10万円・55万円・65万円(それぞれ要件あり)が案内されています。65万円控除には複式簿記・期限内申告・e-Tax提出などの要件があります。
初年度から青色申告を選ぶ場合、申請の期限があります(開業から一定期間内など)。詳しくは税務署や国税庁のサイトで確認してください。
「どちらがいいか迷う」場合は、税理士や税務署に相談するのが確実です。
農家目線で一番大事なのは「あとで思い出せる状態」にすること
確定申告の大変さは、申告書の記入よりも「必要な情報が手元にない」ことから来ることがほとんどです。
農業は季節によって支出が大きく偏ります。春の苗代・夏の資材費・秋冬の収穫関連と、月によって金額が変わります。設備投資がある年は特に「売上が出ているのに手元にお金が残らない」という感覚になりやすいです。
農業はお金の出入りが複雑で、帳簿上の利益と手元の現金がズレやすい仕事でもあります。農業経営のお金の考え方については、新規就農で失敗しやすい「お金と販路」の準備リストでも詳しく書いています。
確定申告直前にまとめようとすると、半年以上前のことを思い出す作業になります。月1回だけでも、売上と経費を整理する時間を確保するのがおすすめです。
初心者は会計ソフトを使うとかなり楽になる
記帳の手間を減らすには、会計ソフトを早めに使い始めるのが効果的です。
会計ソフトを使うと、こんなことができます。
・売上・経費を分類して管理できる
・銀行口座やクレジットカードと連携して入出金を自動取込できる
・青色申告に必要な書類(青色申告決算書など)を出力できる
・申告前にまとめて作業する必要がなくなる
私がカードや口座を会計ソフトと連携したとき、一番感じたのは「お金の流れが見えるようになる」という点でした。整理作業が楽になっただけでなく、「この支出は本当に必要だったか」と気づく場面がいくつかありました。帳簿をつけることが、経費の見直しにもつながります。
農業は直売の現金売上・資材費・燃料費など入出金の種類が多く、口座やカードを会計ソフトと連携するだけで管理がかなり楽になります。農業の売上・経費管理を楽にしたい方は、早めに使い始めてみることをおすすめします。まずは無料体験で操作画面を触ってみるのが一番わかりやすいです。青色申告を考えているなら、早めに始めた方が年間を通じて楽になります。
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まずは無料体験で操作画面を確認してみてください。白色申告から使い始めて、慣れてきたら青色申告に切り替えることもできます。
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税理士に相談した方がいいケース
確定申告を自分でやるか税理士に頼むかは、農業の規模や状況によって変わります。
以下のケースは、専門家への相談を検討してください。
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 設備投資が大きい年(ハウス・農機具など) | 減価償却の計算や資産計上の判断が必要になりやすい |
| 補助金を使った年 | 補助金の収益認識タイミングや税務処理が複雑になりやすい |
| 消費税・インボイス制度が絡む規模になってきた | 売上規模によって対応が変わる |
| 家族への給与(専従者給与)を考えている | 青色申告の要件を満たす必要がある |
| 青色申告を初めて始める年 | 申請手続き・複式簿記の確認が必要 |
新規就農の補助金を使った場合は特に注意が必要です。補助金の確定申告での扱いは状況によって異なります。新規就農の補助金の使い方と申請前の準備の記事も参考にしながら、不安な場合は専門家に確認することをおすすめします。
まとめ|農家の確定申告は「日々の記録」が一番大事
この記事では、農家の確定申告の全体像と初心者が最初にやるべき準備をまとめました。
- 売上を記録する:日付・金額・販売場所をその日のうちにメモ
- 経費の領収書を残す:月ごとにまとめる。捨てないことが最大のルール
- 農業用のお金を分ける:専用口座・カードで流れを見える化する
- 迷う経費は確認する:税務署・税理士への相談が一番確実
- 会計ソフトで仕組み化する:早めに使い始めると年間通じて楽になる
難しい税金知識を全部覚えなくても大丈夫です。まず「売上を記録する・領収書を残す・お金の流れを分ける」の3つから始めてみてください。
農業は準備と販路づくりがあってはじめて経営として回り始めます。お金の管理と合わせて、農業経営の全体像を知りたい方は新規就農で失敗しやすい「お金と販路」の準備リストもあわせてご覧ください。
この記事はAI(Claude)の支援で作成し、農家本人(丹羽)が内容を確認・監修しています。

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