2月のいちご栽培は、「冬の終わり」と「春の始まり」が交差する最も繊細な時期です。日照時間が少しずつ伸び始め、気温も日によっては大きく変動します。この時期の管理が甘くなると、3月以降の収穫量が大きく落ち込む可能性があります。
「2月は少し暖かくなってきたから安心」と思っていませんか?実はそれが最大の落とし穴。温度管理・水やり・病害虫対策・果実の整理——この4つのポイントをしっかり押さえることで、3月の収穫ピークに向けて株を万全の状態に仕上げることができます。
この記事では、現役いちご農家が実践する2月の具体的な管理方法を詳しくお伝えします。2番果・3番果の収穫に向けた調整から、ハダニ対策、水やりの加減まで、今すぐ実践できる内容ばかりです。
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2月のいちご栽培の特徴と重要性
2月は、いちご栽培における「折り返し地点」とも言える重要な月です。冬の厳しい管理期間を乗り越え、いよいよ春の収穫ラッシュへと向かう準備期間でもあります。この時期にどれだけ丁寧に株を管理できるかが、シーズン後半の成果を大きく左右します。
冬と春が入り混じる気候の特徴
2月の気候の最大の特徴は「日較差の大きさ」です。朝晩は依然として冷え込む一方、日中は晴天であれば気温が急上昇することがあります。ハウス内では外気温の変化が増幅されるため、朝は暖房が必要でも午後には換気が必要になるケースも珍しくありません。
また、2月後半になると日照時間が少しずつ延び始め、光合成も活発になってきます。これにより株の活動量が増えるため、肥料・水・温度の需要も変化してきます。1月と同じ管理を続けていると、株に過不足が生じやすい時期でもあります。
「2月は”天気次第”の毎日です。朝一番にハウスに入ったとき、温度計を見て換気するかどうかを判断します。前日の夜に何度まで下がったか、今日は晴れそうかどうか——この判断の積み重ねが最終的な収量に直結していると実感しています。」
2月の管理が3月の収穫に直結する理由
いちごの花芽は、約30〜45日前の環境条件によって状態が決まります。つまり、3月中旬〜下旬に収穫する果実の品質と量は、2月上旬〜中旬の株の状態が基準になるということです。この時期に株が疲弊していたり、病害虫の被害を受けていたりすると、3番果の収穫量が著しく低下します。
2月は「今収穫する量を増やすか」「3月の収穫のために株を温存するか」のバランス調整が求められる時期でもあります。観光農園では3月の繁忙期に向けた調整が特に重要です。
温度管理のポイント
いちごの生育に最も適した温度帯は15〜25℃です。2月はこの温度帯を保ちつつ、急激な温度変化を避けることが最大の課題です。特にハウス栽培では、適切な換気と保温のバランスが難しく、多くの農家が頭を悩ませるポイントでもあります。
目標温度と換気のタイミング
2月の温度管理の目標値は以下の通りです。昼間は18〜25℃を目安に、夜間は8〜12℃程度を維持することで、株の安定した生育を促せます。
| 時間帯 | 目標温度 | 管理のポイント |
|---|---|---|
| 朝(日の出〜9時) | 10〜15℃ | 暖房を調整しながら徐々に温度を上げる |
| 昼(9時〜15時) | 18〜25℃ | 晴天時は早めに換気して30℃超えを防ぐ |
| 夕方(15時〜日没) | 15〜20℃ | 日没前に換気を閉めて保温に切り替える |
| 夜間 | 8〜12℃ | 最低気温が5℃以下にならないよう暖房設定 |
換気の開始タイミングは、ハウス内温度が25℃に達した時点が目安です。特に晴れた日の午前10時〜11時ごろは急激に温度が上昇するため、こまめな確認が必要です。
高温・低温の失敗事例
高温障害(30℃超え):花粉の活力が低下し、受粉不良による奇形果が増える。特に2月後半の晴天日は注意。
低温障害(5℃以下):根の活性が落ちて養水分の吸収が悪くなる。霜が降りると葉や花に直接ダメージを与える場合も。
温度の急変:朝の低温から昼の高温への急激な変化は、株にストレスを与えてしまう。換気は段階的に行うのが鉄則。
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収穫状況と株の状態チェック
2月は1月下旬から始まった2番果の収穫が本格化し、3番果の成長も徐々に進む時期です。現在の収穫状況を正確に把握しながら、3月の収穫ピークに向けた戦略的な管理が求められます。
2番果・3番果の管理
一般的なパターンとして、1月下旬〜2月上旬に2番果の収穫が始まり、2月〜3月にかけて3番果が順次熟してきます。ただし、これは株の状態や品種によって大きく異なります。
果実の数は多ければ良いわけではありません。1つの花房に果実が多すぎると、すべての果実が小粒になってしまいます。2月の段階で適切に間引きを行うことで、3月に大粒で品質の高い果実を収穫することができます。
「収穫量を増やしたいなら果実を多くつければいい、と思いがちですが、実際は違います。適切に間引いた株の方が、最終的な収量(重量)も品質も上になることが多い。2月の間引きは手間がかかりますが、3月に必ず結果が出ます。」
株の疲労度を見分ける方法
株の健康状態を判断する最も簡単な指標が「葉の大きさ」です。同じ株でも、最近展開した新葉と古い葉を比べたとき、新葉が小さくなっていれば株が疲弊しているサインです。
その他のチェックポイントとして、葉の色(濃い緑か薄いか)、葉柄の長さ(短くなっていないか)、クラウンの太さなども参考になります。疲弊している株は、水や肥料の量を一時的に調整して回復を促します。
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病害虫対策と葉の手入れ
2月後半から気温が上がり始めると、害虫の活動も活発になってきます。特にハダニは乾燥と高温を好むため、2月下旬〜3月にかけて急速に増殖することがあります。この時期に適切な対策を講じておくことが、春の収穫シーズンを守るカギです。
ハダニを防ぐ環境づくり
ハダニが嫌う環境は「湿度が適度に保たれた、風通しの良い空間」です。乾燥しすぎるとハダニが繁殖しやすくなるため、葉への散水(葉水)も効果的な対策の一つです。ただし、灰色かび病などの発生を防ぐため、夕方以降の散水は避けるようにしましょう。
天敵農薬(ミヤコカブリダニなど)を利用している農家では、2月下旬から定期的な放飼を始めることで、3月以降のハダニ密度を低く抑えることができます。
脇芽・老葉の適切な整理
2月下旬から葉の整理を本格的に始めましょう。黄化した葉・枯れた葉はそのままにしておくと病害の温床になるため、定期的に取り除きます。また、増えすぎた脇芽(わき芽)は株のエネルギーを分散させてしまうため、主枝の生育を優先する場合は早めに摘み取ります。
葉の整理は「一度に大量に取り除かない」ことが重要です。一気に葉を取りすぎると光合成量が急激に低下し、株が弱ってしまいます。1株あたり1回に2〜3枚程度を目安に、少しずつ整理していきましょう。
水管理と果実管理
2月は気温の変動が大きいため、水管理が特に難しい時期です。暖かい日と寒い日では必要な水の量が大きく異なり、一律の管理では株が弱ってしまうリスクがあります。
気温に合わせた水やりの調整
基本的な考え方は「気温が高い(蒸散が多い)日は多く、気温が低い(蒸散が少ない)日は控えめに」です。高設栽培の場合は培地の重量変化や水分センサーを活用すると、より精密な管理ができます。
また、2月後半から日が長くなるにつれて、光合成が活発になり水の消費量も増えます。1月の水やりパターンをそのまま続けていると、水不足になりやすいため注意が必要です。
果実の間引きと収量コントロール
2月に収穫量を増やしたい場合は果実数を多めに残し、3月の収穫ピークに向けて株を温存したい場合は積極的に間引きを行うという戦略的な判断が必要です。観光農園では、3月の春休み期間に合わせて収穫ピークを作ることが経営上の重要な課題でもあります。
よくある質問(Q&A)
Q1. 2月にハウス内の温度が30℃を超えてしまいました。どうすればいいですか?
すぐに換気を行い、温度を下げてください。30℃を超えた状態が続くと、花粉の活力が低下して受粉不良が起きやすくなります。晴天が続く時期は、ハウス内の温度計をこまめに確認し、25℃を超えたら換気を始める習慣をつけましょう。自動換気システムの設定温度も定期的に見直すことをおすすめします。
Q2. 2月に葉が黄色くなっているのですが、問題ありますか?
葉の黄化にはいくつかの原因が考えられます。下葉(古い葉)の自然な老化であれば問題ありません。しかし、新しい葉が黄化している場合は、窒素不足や根の障害、過湿による根腐れなどが原因として考えられます。葉柄の色や根の状態も合わせて確認し、原因を特定してから対処するようにしましょう。
Q3. 3月の収穫ピークに向けて、今から何をすれば一番効果的ですか?
最も効果的なのは「株の疲弊を防ぐこと」です。具体的には、①適切な温度管理でストレスを与えない、②過剰な果実数を間引いて株の負担を減らす、③葉の整理で風通しを良くして病害虫を予防する——この3点を徹底することです。2月の地道な管理が、3月の豊作につながります。
まとめ
2月のいちご管理で押さえるべきポイントをまとめました。
✅ 温度管理:昼間18〜25℃、夜間8〜12℃を目安に。30℃超えに注意して早めに換気する
✅ 収穫状況の把握:2番果の収穫を進めながら、3番果の成長状態を定期的にチェック
✅ 株の疲労度管理:新葉の大きさを基準に株の状態を判断し、疲弊したら管理を見直す
✅ 病害虫対策:ハダニの発生に備えて風通しを確保し、天敵農薬の準備も進める
✅ 葉の整理:老葉・黄化葉は定期的に除去。一度に取りすぎないよう少しずつ行う
✅ 水管理:気温・天候に合わせて柔軟に調整。2月後半は水の消費量が増える点に注意
✅ 果実管理:3月の収穫ピークに向けて、今から間引きと株の温存をバランスよく行う
2月の管理は地味に見えますが、この時期の積み重ねが3月の豊作を作ります。毎日のハウス管理を丁寧に続けていきましょう。
この記事はAI(Claude)の支援で作成し、農家本人(丹羽)が内容を確認・監修しています。

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