いちごのうどんこ病を春に防ぐ!農家直伝の原因と対策まとめ

いちごの葉を見て、なんだか白っぽい粉がついている……そう感じた瞬間、心臓がドキッとしませんでしたか。

私が農園でいちごを育て始めた頃、同じ経験をしました。春になって気温が上がり、「今年こそたくさん収穫できる」とワクワクしていた矢先、葉の裏に白い粉状の斑点を発見したのです。

その正体は「うどんこ病」。放置すれば葉がどんどん白くなり、実の糖度まで落ちてしまう厄介な病気です。でも安心してください。うどんこ病は、正しい原因を知って早めに対処すれば、ちゃんと抑えることができます。

この記事では、埼玉・吉見町の苺農家である私・丹羽いちご園が、春に多発するうどんこ病の原因3つと、農家目線のリアルな対策法をわかりやすく解説します。家庭でいちごを育てている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

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目次

うどんこ病とは?見た目と特徴を押さえよう

どんな症状が出るの?

うどんこ病は、葉の表面や裏面に白い粉を振りかけたような斑点が現れる病気です。

進行すると葉全体が白くなり、光合成ができなくなります。さらに花や実にも広がると、収穫量がぐっと減ってしまいます。

初期症状は葉の裏側に出やすいため、見落としがちです。週に一度は葉をめくって確認する習慣をつけましょう。

ポイント

うどんこ病の進行順序:葉の裏に白い粉状の斑点 → 葉全体が白くなる → 葉が縮れる・変形する → 花・実にまで広がる

なぜ4月に急増するの?

うどんこ病の原因菌は、気温15〜25度・湿度がやや低めの条件でもっとも活発に増殖します。

春(4〜5月)はまさにこの条件がそろいやすい季節です。昼間は暖かく夜は冷える気温差も、菌の活動を後押ししてしまいます。「春になったらいちごが元気になってきた」と感じる頃が、実はうどんこ病にとっても絶好の繁殖シーズンなのです。

ハウス栽培では、4月になってハウスを開放し始めると菌が外から入り込みやすくなり、急増することが知られています。露地栽培でも油断は禁物です。

うどんこ病が発生する原因3つ

原因①:風通しの悪い環境

風通しが悪いと、菌が一気に広がります。

プランター栽培でよくあるのが、株同士を詰めすぎてしまうケースです。葉が重なると風が通らず、湿度も上がりやすくなります。その結果、菌にとって快適な環境ができてしまうのです。

私の農園でも、ハウスの換気を怠った年は必ずうどんこ病の被害が大きくなりました。逆に換気をしっかりした年は、同じ品種でもほとんど発症しませんでした。プランターは日当たりと風通しのよい場所に置き、株間はしっかり確保することが大切です。

露地栽培でも、株が込み合ってくる春先は要注意です。隣の株の葉と触れ合うくらい混んできたら、整理のサインだと思ってください。

原因②:古い葉・傷んだ葉を放置している

古い葉は、うどんこ病菌の温床になります。

いちごは春になると古い葉が増えてきます。この古い葉の上で菌が増殖し、そこから健康な葉へと感染が広がっていくのです。葉が枯れかけていたり、黄色くなっていたりする場合は、早めに摘み取る「摘葉」が必要です。

私は毎朝農園を回りながら、気になる葉を見つけたらその場で摘葉するようにしています。面倒に思うかもしれませんが、これだけで発症率がかなり下がりました。摘葉した葉は土の上に置かず、必ず袋に入れて捨てましょう。そのまま放置すると、落ちた葉から菌が広がってしまいます。

原因③:チッ素(窒素)肥料の与えすぎ

肥料のやりすぎが、うどんこ病を招くことがあります。

特にチッ素を与えすぎると、葉が柔らかくなりすぎて菌が侵入しやすくなります。「もっと大きく育てたい」と肥料を多めにあげてしまう気持ちはよくわかりますが、これが逆効果になることがあるのです。

春の追肥は控えめにして、葉の色を見ながら調整しましょう。葉が必要以上に濃い緑色になっていたり、葉が大きくなりすぎていたりする場合は、肥料の与えすぎのサインかもしれません。

注意

「肥料は多いほど元気に育つ」は間違いです。チッ素過多は病気を招くだけでなく、実の甘みも落ちてしまいます。「足りないくらいでちょうどいい」くらいの感覚で施肥しましょう。

農家直伝!うどんこ病の対策と治療法

対策①:発見したらすぐに病葉を除去する

うどんこ病は「先手必勝」が鉄則です。

白い粉を発見したら、その葉をすぐに摘み取ってください。この作業が最も重要で、薬剤を使う前にまずここから始めます。触れた手や道具から菌が広がることがあるので、作業後は必ず手を洗いましょう。

摘み取った葉は必ず袋に入れて密封し、ゴミとして処分します。コンポストへの投入や土の上への放置は絶対に避けてください。実際にやってみると、この一手間だけで翌週の症状の広がりが全然違います。

対策②:重曹スプレーで予防する

家庭菜園でおすすめなのが、重曹スプレーによる予防です。

重曹(炭酸水素ナトリウム)1gを水1Lに溶かしたものをスプレーボトルに入れ、葉の表と裏に週1〜2回散布します。重曹はアルカリ性のため、うどんこ病菌の繁殖を抑える効果があります。

私の農園では、体験ハウスの子どもたちにも安心してもらえるよう、この重曹スプレーを補助的に使っています。完全な治療効果はありませんが、予防として十分な効果が期待できます。費用もほとんどかからず、すぐに試せるのがうれしいところです。

メモ

重曹スプレーのコツ:①曇りの日か夕方に散布する(晴天下は葉焼けのリスクあり)②効果は2〜3日で薄れるので定期的に散布する③重曹の濃度が高すぎると葉が傷むので必ず1g/1Lを守る

対策③:カリグリーン(農薬)で治療する

症状がすでに広がっている場合は、カリグリーンの使用が効果的です。

カリグリーンは炭酸水素カリウムを主成分とした農薬で、有機JAS規格にも適合しています。化学合成農薬に抵抗がある方にも比較的使いやすく、ホームセンターでも入手できます。

散布は早朝か夕方に行い、葉の裏まで丁寧に噴霧してください。実際にやってみると、2〜3回の散布でかなり症状が落ち着いてくるのがわかります。ただし、繰り返し同じ農薬を使うと耐性菌が出やすくなるため、別の系統の農薬と交互に使うことが重要です。

注意

農薬は必ずラベルの使用方法・使用回数・希釈倍率を守ってください。いちごの収穫前日数(PHI:収穫前の使用禁止期間)も必ず確認してから使用しましょう。

対策④:育てる環境そのものを見直す

うどんこ病を繰り返さないためには、環境の改善が一番の近道です。

農薬で症状を抑えても、環境が変わらなければまた再発します。以下のチェックリストで、今の栽培環境を見直してみてください。

  • プランター同士の間隔を最低10cm以上あけているか
  • 日当たりのよい場所に置いているか(1日4時間以上の日照が目安)
  • 水やりは株元に行い、葉に水がかからないようにしているか
  • 古い葉・黄色い葉を定期的に除去しているか
  • 過剰な追肥をしていないか(葉が濃緑で大きすぎないか確認)

これらを見直すだけで、薬剤に頼らなくてもうどんこ病の発生をぐっと抑えることができます。環境を整えることが、いちご栽培の一番の基本です。

今日・今週からできる具体的アクション

うどんこ病への対処は、まず「今日すぐできること」から始めましょう。

やること タイミング 頻度
葉の裏のチェック 朝の水やり時 毎日
古い葉・病葉の除去 発見次第 随時
重曹スプレーの散布 夕方〜曇りの日 週1〜2回
株間・風通しの確認 春の管理時 月1回
追肥の量の見直し 施肥のたびに 施肥時

今日すぐできること:プランターまたは畑のいちごの葉をひっくり返してチェックしてください。白い粉が少しでも見えたら、今日中にその葉を取り除きましょう。たったこれだけで、広がりを防ぐことができます。

まとめ:うどんこ病は「見つけたらすぐ動く」が基本

いちごのうどんこ病は、春に急増する身近な病気です。でも、正しく対処すれば必ず抑えることができます。

今回のポイントをまとめます:

  • 原因は「風通し不良」「古い葉の放置」「チッ素過多」の3つ
  • 発見したらすぐに病葉を除去する(先手必勝)
  • 重曹スプレーで予防し、広がったらカリグリーンで対処する
  • 環境改善(株間確保・換気・摘葉)が再発防止の一番の近道

私の農園でも毎年春にうどんこ病と格闘しながら、試行錯誤を重ねてきました。大切なのは「気づいたらすぐ動く」こと。諦めずに対処し続ければ、いちごは必ず応えてくれます。

今年の春も、元気ないちごをたくさん収穫してください。一緒に頑張りましょう。

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いちごの病気対策をマスターしたら、次は春の肥料管理も見直してみましょう。丹羽いちご園のブログには、農家目線の実践的な情報をたくさん掲載しています。

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