「農業は誰のためのものか?」いちご農家が小泉進次郎農水相に抱いた“本音”

小泉進次郎氏の農水相就任を受けて、いちご農家として本気で感じたこと

こんにちは。
埼玉県比企郡吉見町で「丹羽いちご園」を営んでおります、いちご農家の丹羽です。

いちご狩りシーズンになると、東京近郊からも多くのお客様が来園され、家族連れの笑顔や、カップルの楽しそうな様子を見て、私たちも日々励まされています。

そんな穏やかな日常の中、ふと耳に入ったのが――
「小泉進次郎氏、農林水産大臣に就任か?」というニュース。

これは農家にとって、まさに他人事ではありません。
農政のトップが誰になるか、それによって明日からの農業の方向性がガラッと変わるのが現実です。

私も一農家としてこのニュースを真剣に受け止め、三橋貴明さんのYouTube解説(「小泉進次郎氏の農林水産大臣就任で何が起きるか解説します」)を拝見しました。

正直に言います。
――胸がざわつきました。

今日は、農業の現場から見える本音の感想を、いちご農家の視点でお伝えしたいと思います。


目次

「農業改革」は農家を幸せにしたか?

小泉氏が農水大臣に推されている理由として、「農協改革に携わった経験」「米価引き下げに意欲的」という点が挙げられていました。

しかし、その改革の中身は本当に農家の未来を見据えたものだったのか?
三橋氏も指摘していましたが、「農業改革」という言葉の裏で、実際には多くの農家が苦しんできました。

うちのような果樹農家は、米農家とは違う作物を育てていますが、「農政の不安定さ」という点では共通しています。

たとえば、資材高騰。
ビニールハウスの張り替え資材、肥料、苗――すべてが年々高騰しています。

それでも販売価格は据え置きか下落傾向。
「努力しろ」「付加価値をつけろ」と言われても、努力だけではどうにもならない現実があるんです。


減反政策と米不足の“矛盾”

動画の中で印象的だったのが、減反政策についての話です。
小泉氏はかつて「減反の廃止」を掲げていましたが、実際には完全な廃止とは言えない形で終わったとのこと。

その結果、日本の米の生産能力が減り、現在の米不足に繋がっていると解説されていました。

これ、農家なら「あるある」です。
制度が半端に終わることで、現場はもっと混乱します。

「やれ」と言われて始めたことを、「やめろ」と言われてもすぐに変えられるわけではありません。
苗作り、土壌改良、ハウス建設など、どれも時間もお金もかかる。

農業は“すぐに結果が出る産業”ではないのです。
だからこそ、政策は一貫性と現場理解が何より大事なんです。


アメリカ産米の輸入? 国産農家はどうなる?

さらに動画では、今後「アメリカ産米の輸入拡大」が進む可能性にも触れていました。

正直、こうした流れは恐ろしいです。
いちごは輸入品では勝負になりませんが、米や小麦、大豆などは海外の方がはるかに安く大量生産できます。

日本の農業が「コスト競争」で戦えば、勝てるわけがありません。
私たちが作っているのは、コストだけでは測れない「安全」「安心」「旬の味」です。

それを守るために、どれだけの手間をかけているか――
虫を手で取る。寒暖差を活かして甘さを引き出す。収穫のタイミングを見極める。

これらは数字で表せるものではありません。
輸入品では代替できない「人の目と手」があるからこそ、お客様が「おいしい!」と言ってくれるのです。


「農業を悪者にする改革」はもうたくさん

動画内では、小泉氏のこれまでの農業政策が「農業を悪者にしてきた」とも語られていました。

これは大げさではなく、実際に現場の私たちも感じていることです。

農家は補助金頼みで古い体質、非効率――そんなレッテルを貼られてきたことが何度もありました。
でも、私たちの多くは地元を守り、地域経済を支え、消費者に安全な食を届けるために努力を続けています。

それを「変わらなきゃダメだ」「もっと効率を」と言って、“改革”の名のもとに切り捨ててしまうやり方では、誰も幸せになれません。


政策をつくる人へ、農家から伝えたいこと

政治家の方々には、ぜひ一度「いちご狩り」に来てほしいんです。

ハウスの中で、汗をかきながら働く農家の姿。
いちごを一つひとつ吟味して、子どもたちに「おいしいね!」と食べさせる親の笑顔。

そこにこそ、日本の農業の価値があると思っています。

私たちはただの「生産者」ではありません。
命をつなぎ、食卓に感動を届ける「つくり手」であるという誇りを持っています。

農政を担うリーダーには、数字や改革という言葉の前に、この“現場の声”を真っ先に聞いてほしい。
それが日本の農業を守る一歩になるはずです。


まとめ:農政の「顔」は、農家の未来を映す鏡

小泉進次郎氏の就任は、今後の農政に大きな影響を与えるでしょう。
だからこそ、私たち農家も「誰が農政を担うのか」をしっかりと見極め、声を上げる必要があります。

見せかけの改革ではなく、根本から支えてくれる政治を。
一人でも多くの方が、農業の「現場の声」に耳を傾けてくれることを願って、今日もいちごを育てています。

吉見町で皆さんをお待ちしています。

🔗 参考元動画はこちら(YouTube)

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