神奈川県で、イチゴのハダニ類について「県内全域で多発のおそれ」という注意報が出ました。10月に調べたイチゴ苗の寄生株率は13.2%で、平年(4.8%)の3倍近い数字です。

埼玉県吉見町の丹羽いちご園では、今季、ハダニが目に見えて増えている感じはありません。それでも、ハダニはいる前提で考えています。苗の炭酸ガス処理をしていないからです。

この記事では、注意報の中身と、丹羽いちご園が今季予定している天敵(カブリダニ)の使い方を書きます。

この記事でわかること

  • 神奈川県のハダニ注意報(2026年11月2日)の数字と、勧められている対策
  • 丹羽いちご園が「目に見えて増えていなくても、いる前提」で考える理由
  • 天敵製剤ミッチトップの中身と、今季の放す予定(11月中旬から計2回)

神奈川県がイチゴのハダニ類に注意報を出した

神奈川県農業技術センターは2026年11月2日、令和8年度病害虫発生予察注意報第2号を出しました。

イチゴにハダニ類が、県内全域(イチゴを作っている地域)で多発するおそれがある、という内容です(神奈川県の注意報原文(PDF)、JAcom 農業協同組合新聞の記事より)。

巡回調査でのイチゴ苗のハダニ類寄生株率(調べた苗のうち、ハダニ類が見つかった株の割合)は、次のとおりです。

調査月2026年(かっこ内は平年)
7月6.2%(3.0%)
8月10.0%(1.9%)
10月13.2%(4.8%)

注意報によると、8月と10月は過去10年間でいちばん高い数字です。ハダニが出ている畑の割合(発生ほ場率)も、10月は53.8%(平年28.7%)でした。気象庁の1か月予報で気温が平年より高いとされていることから、今後も増えると見られています。

神奈川県のイチゴ苗のハダニ類寄生株率の棒グラフ。7月6.2%(平年3.0%)、8月10.0%(平年1.9%)、10月13.2%(平年4.8%)で、どの月も平年より高い。

注意報が勧めている対策

注意報では、次のような対策が呼びかけられています。

  • 畑をこまめに見て早く見つけ、増える前に防除する
  • ハダニがついた葉は畑の外へ持ち出し、近くに放置しない
  • ハダニは下葉の裏に多いので、下葉を整理し、葉の裏まで薬剤がかかるよう丁寧に散布する
  • 抵抗性がつきにくい気門封鎖剤も含めて、系統の違う薬剤をローテーションで使う
  • すでに多発している畑では、1回の散布では効果が足りないことがあるので、効果を確かめながら複数回散布する
  • 天敵のカブリダニ製剤を放す場合は、天敵に影響の少ない薬剤でハダニを減らしてから、適期に放す

下葉の整理についてはいちごの摘葉のタイミングと正しい方法で、天敵資材の種類についてはいちごのハダニ対策完全ガイドでまとめています。

丹羽いちご園では「目に見えて増えていなくても、いる前提」で考える

今季のうちのハウスでは、ハダニが出ている気はしません。目に見えて増えている感じはない、というのが今の実感です。

ただ、苗の炭酸ガス処理はしていません。炭酸ガス処理は、苗を炭酸ガスにさらして、苗についたハダニを減らす方法です。うちはそれをしていないので、目に見えなくても、ハダニは多分いるだろうと思っています。

「見えないから、いない」とは考えない、ということです。苗の時期の虫の見方はいちごの育苗、虫チェックはいつする?にも書いています。

天敵製剤「ミッチトップ」を11月中旬から2回放す予定

うちでは、ハダニ対策に天敵製剤の「ミッチトップ」を使います。ハダニを食べるダニ(カブリダニ)が入っている製剤です。

メーカー(アグロ カネショウ)の製品ページによると、中身は次のとおりです(アグロ カネショウ ミッチトップ製品ページより)。

  • 農林水産省登録 第24466号(チリカブリダニ・ミヤコカブリダニ剤)
  • 1本250mlに、チリカブリダニ400頭とミヤコカブリダニ1,600頭
  • ミヤコカブリダニだけでは食べきれなかったハダニを、チリカブリダニが食べる、という組み合わせ
  • 入手したらすぐに使い、使い切る

今季は、11月中旬に1回放し、1週間あけてもう1回、計2回放す予定です。この記事を書いている時点(2026年11月6日)では、まだ放していません。

メーカーの適用表(PDF)の注意事項には、ハダニがまだ低密度で散見された時点で最初に放すこと、発生初期から約1週間の間隔で数回放すのが望ましいこと、日中のハウス内の平均室温は17〜30℃が望ましいこと、放す前後の薬剤散布はさけることが書かれています。

天敵製剤は、日付だけで放す時期を決めるものではありません。一般には、ハウス内の発生状況と製品の注意事項を確かめたうえで、放す時期や方法を判断します。

丹羽いちご園の今季の天敵の予定。11月6日時点では目に見えて増えた実感はなく、11月中旬にミッチトップの1回目、その1週間後に2回目を放す。

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少量の薬剤散布に使う蓄圧式噴霧器

注意報では、ハダニが多い下葉の裏まで薬剤がかかるよう、丁寧に散布することが勧められています。

ハンドルを押して圧をためておく蓄圧式噴霧器なら、手で押す霧吹きより続けて散布しやすくなります。紹介するのは工進の蓄圧式噴霧器で、タンクは4Lです。薬剤は製品の注意事項を確認し、天敵を放す前後の散布はさけてください。ラベルに書かれた作物と使い方も守ってください。

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よくある質問

Q. 埼玉県でも同じ注意報が出ていますか?

この記事で取り上げたのは、神奈川県農業技術センターの注意報です。埼玉県の発生予察情報は、埼玉県の病害虫防除所の発表で確認してください。

Q. 苗の炭酸ガス処理をしていないと、必ずハダニはいますか?

必ずいるとは言えません。うちでは、処理をしていない以上、目に見えなくてもいるかもしれない、と考えて対策を組んでいます。

Q. ミッチトップを放したあとの効果はどうでしたか?

2026年11月6日の時点では、まだ放していません。今季は11月中旬に1回目、その1週間後に2回目を放す予定です。

Q. 家庭菜園のいちごでも天敵は使えますか?

ミッチトップの登録上の対象は「野菜類(施設栽培)のハダニ類」です(メーカーの適用表より)。ハウスなどの施設で使うもので、露地の家庭菜園は対象に入っていません。家庭菜園でできるハダニ対策は家庭菜園のいちごに農薬を使う方法と安全な注意点も参考にしてください。

まとめ

神奈川県では、イチゴ苗のハダニ類寄生株率が10月に13.2%(平年4.8%)となり、多発のおそれがあるとして注意報が出ました。

丹羽いちご園では、今季ハダニが出ている気はしません。ただ、苗の炭酸ガス処理をしていないので、ハダニはいる前提で考えています。そのうえで、天敵製剤ミッチトップを11月中旬に1回、1週間あけてもう1回、計2回放す予定です。

注意報の数字は神奈川県農業技術センターの注意報(2026年11月2日)とJAcomの記事(2026年11月4日)、ミッチトップの情報はアグロ カネショウの製品情報にもとづいています。

この記事はAI(Claude)の支援で作成しました。丹羽いちご園に関する記述は、農家本人への聞き取り(2026年11月5日)にもとづいています。