いちごのランナーを切ったり、葉かき・摘果をしたりするときに使う園芸ばさみ(剪定バサミ)、使うたびに手入れをしていますか。
結論から言うと、清潔でないハサミを使い回すと、刃を通じて病気を他の株に広げてしまうことがあります。これは丹羽いちご園に限った話ではなく、園芸・剪定の分野で広く言われている一般的な注意点です。
丹羽いちご園でも、育苗ポットの消毒など資材の衛生管理には普段から気を使っています。この記事では、ハサミを消毒する理由と具体的な手順、サビさせない保管方法、研ぐ・買い替えの目安をまとめます。
この記事でわかること
- ハサミを消毒しないと何が起きるか
- 消毒・サビ防止の具体的な手順
- 研ぐ・買い替えを判断する目安
いちごのハサミ、消毒しないとどうなる?
一般的には、病気の株を切ったハサミをそのまま別の株に使うと、刃に付着した病原菌が健康な株へ移ってしまうことがあるとされています。
いちごは炭疽病やうどんこ病など、株から株へ伝染しやすい病気がいくつかあります。見た目が健康そうな株でも、内部に病気を抱えているケースがあるため、ハサミの消毒は「症状が出ている株を切ったときだけ」ではなく、日頃からの習慣にしておくと安心です。
特に、ランナーを切って子株を増やす育苗の時期は、同じハサミで何株もまたいで作業することが多くなります。1本のハサミが多くの株に触れる分、消毒を怠ったときの影響も広がりやすい時期といえます。
ハサミの消毒3ステップ
特別な道具がなくても、次の3ステップで手入れができます。
①汚れ・樹液を拭き取る
まず、刃に付いた土や樹液、植物の汁をきれいな布で拭き取ります。汚れが残ったままだとアルコールが刃全体に行き渡りにくく、消毒の効果が落ちてしまいます。
②アルコールを吹きかけて乾かす
消毒用エタノールなどのアルコールを刃全体にスプレーし、そのまま自然乾燥させます。アルコールは揮発性が高く、乾く間に殺菌が進むとされているため、拭き取らずに乾くまで待つのが基本です。
アルコール以外では、火であぶって消毒する方法や、51℃以上の熱いお湯に浸ける方法も一般的に紹介されています。刃物の材質によっては熱で傷むこともあるため、手持ちのハサミの取扱説明が分かる場合はそちらを優先してください。
③特に病気株を切った後は必ず消毒する
すべての作業のたびに消毒するのが理想ですが、時間が取れない場合は、せめて病気の疑いがある株を切った直後だけは必ず消毒するようにしてください。ここを省略すると、そのハサミで次に切った健康な株にまで影響が及ぶ可能性があります。

※ハサミの消毒手順(汚れを拭く→アルコールを吹きかけて乾かす→病気株の後は必ず消毒)を示したイメージです。
丹羽いちご園が資材の衛生管理で意識していること
丹羽いちご園でも、道具や資材の衛生管理は普段から意識している部分です。
育苗ポットは資材消毒剤と熱処理を使い分けている
育苗に使うポットについては、資材消毒剤と熱処理を使い分けています。詳しい使い分け方は「いちごの育苗ポットは消毒する?丹羽いちご園が資材消毒剤と熱処理を使い分ける理由」にまとめています。
ハサミの消毒にも「イチバン」を使うことがある
丹羽いちご園では、育苗ポットの消毒に使っている資材消毒剤「イチバン」を、ハサミの消毒に使うこともあります。アルコールと使い分けており、どちらか一方に固定しているわけではありません。使う場合は、製品ラベルに記載された希釈倍率・用法を守ってください。
親株の更新時も清潔なハサミを使うようにしている
親株を更新して苗を取るときも、清潔な園芸ばさみを使うようにしています。病気の株を切ったハサミをそのまま使い回すと、刃を通じて病気を広げてしまうことがあるためです。親株の更新そのものについては「いちごの親株は何年使える?古い株から苗を取るリスクを農家が解説」で詳しく書いています。
毎回きっちり時間を計って消毒する必要はありません。株を替えるタイミングや病気の疑いがあるときなど、作業の節目で手入れをするという考え方を覚えておくと実践しやすくなります。
サビさせない保管方法
消毒とあわせて、サビさせないための保管も手入れの一部です。
使ったその日のうちに水分を拭き取る
作業を終えたら、その日のうちに刃の水分や植物の汁を拭き取ります。濡れたまま放置する時間が長いほど、サビが出やすくなるとされています。梅雨時期や湿度の高い季節は特に注意が必要です。
油を薄く塗ってから保管する
拭き取った後、刃の表面に薄く油を塗ってから保管すると、サビの予防になるとされています。機械油のほか、家庭にあるものでは食用油や鉛筆の芯(黒鉛)で代用する方法も紹介されています。専用のケースに乾燥剤を入れて保管する方法も、湿気対策として一般的です。

※手入れしない場合(サビ・刃こぼれ)と手入れする場合(清潔で切れ味が良い状態)の違いを示したイメージです。
切れ味が落ちたら?研ぐ・買い替えの目安
手入れをしていても、使ううちに切れ味は落ちていきます。研ぐか買い替えるかの目安を整理しました。
家庭でできる簡単な研ぎ方
刃こぼれがひどくない程度であれば、家庭用の砥石やダイヤモンドシャープナーで刃先を軽く研ぐ方法が一般的です。刃の角度に沿って一定方向に研ぐのが基本とされています。慣れない場合は、無理に自分で研がず、刃物店や剪定バサミの専門店の研ぎ直しサービスを利用する方法もあります。
買い替えを検討したい状態
刃が大きく欠けている、サビが刃の奥まで進んでいる、握ってもバネの戻りが悪いといった状態は、研いでも切れ味が戻りにくいことがあります。無理に使い続けると、ランナーや茎をつぶすように切ってしまい、株側の傷口が大きくなることもあるため、買い替えも選択肢に入れておくと安心です。
| 症状 | 対応の目安 |
|---|---|
| 刃先が少し鈍った程度 | 砥石などで軽く研げば切れ味が戻りやすい |
| 刃こぼれ・深いサビ・バネの戻りが悪い | 研いでも戻りにくいため買い替えを検討 |
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手入れしやすいハサミを選ぶという選択肢
刃先が細く、芽摘みや実採りにも使いやすいタイプの剪定バサミです。買い替えのタイミングで、手入れのしやすさも含めて選び直すのも一つの方法です。
よくある質問
Q. 消毒はランナーを1本切るたびに必要?
理想は作業のたびですが、必須ではありません。せめて株を替えるタイミングと、病気の疑いがある株を切った直後は必ず消毒するようにしてください。
Q. アルコール以外で消毒する方法はある?
火であぶる方法や、熱いお湯に浸ける方法も一般的に紹介されています。ただし刃物の材質によっては熱で傷むこともあるため、手軽さと刃への影響を見て選んでください。
Q. サビたハサミはまだ使える?
表面に軽くサビが出ている程度であれば、サビ取り後に研いで使える場合があります。ただしサビが刃の奥まで進んでいたり、切れ味が明らかに落ちていたりする場合は、無理に使い続けず買い替えを検討してください。
ランナーを切る時期や位置そのものについては「いちごのランナーはいつ・どこで切る?時期と切る位置を農家が解説」にまとめています。
この記事はAI(Claude)の支援で作成し、農家本人(丹羽)が内容を確認・監修しています。
