埼玉県吉見町でいちごを育てています。農家をしていると、規格外のいちご——形が不揃いだったり、少し傷がついたりしたもの——が必ず出てきます。食べてみると味はまったく変わらないのに、売り物にはならない。そのもったいなさから、私がたどり着いたのがいちごジャムです。
農家ならではのレシピは、一般的なレシピとは少し異なります。砂糖は少なめで、いちご本来の風味を生かすことにこだわっています。この記事では、私が実際に毎年作っているレシピと、砂糖量の工夫、上手に保存するポイントをご紹介します。家庭菜園でいちごを育てている方にも、手作りジャムに挑戦したい方にも参考にしていただけると思います。
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農家がいちごジャムを作る理由
規格外のいちごは、形や大きさが基準外なだけで、味は変わらないことが多い。
農家では毎年、収穫したいちごのなかから一定数の規格外品が出てきます。形が不揃い、傷がある、大きすぎる、小さすぎる——こうしたいちごは出荷基準を満たさないため、市場や店頭に並ぶことはありません。
私のところでは、この規格外いちごをジャムに加工するのが収穫期(冬〜春)の定番になっています。せっかく育てたいちごを無駄にしたくない、という思いが出発点です。
規格外いちごってどんなもの?
出荷基準を満たさないだけで、糖度や風味が大きく変わるわけではない。
農産物には、市場に出すための規格があります。大きさ・重さ・形・色などの基準を満たさないものは「規格外品」と呼ばれ、販売ルートに乗らない場合がほとんどです。
でも実際に食べてみると、味の差はほとんど感じません。傷がついていても、傷んでいる部分を取り除けば残りはおいしく食べられます。
規格外品の主な特徴:形が変形している、大きすぎる・小さすぎる、表面に傷がある、など。見た目の問題であり、糖度や風味が大きく落ちるわけではないことが多いです。
農家がジャムにする理由
手塩にかけて育てたいちごを無駄にしたくない、という気持ちが出発点。
農家として、食べられるいちごをそのまま廃棄するのは心苦しいものです。規格外いちごをジャムにすれば長期保存もでき、家庭で食べることができます。
最初は「余ったから作ってみよう」くらいの気持ちでしたが、今では毎シーズンの楽しみになっています。冬から春にかけての収穫期に、規格外いちごが出るたびにジャムを作る——それが私の農家生活の一部になっています。
農家直伝!基本のいちごジャムレシピ
材料はいちごと砂糖のみ。レモン汁を加えると色と風味が安定しやすい。
私が実際に作っているレシピです。特別な道具は不要で、鍋・木ベラ・保存瓶があれば作れます。
材料と分量(作りやすい分量)
砂糖の量はいちごの重さの20〜30%を目安にする。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| いちご(傷あり・規格外でもOK) | 500g |
| 砂糖(グラニュー糖または上白糖) | 100〜150g(いちごの20〜30%) |
| レモン汁 | 大さじ1 |
砂糖の量について:市販のジャムはいちごの50〜60%程度の砂糖を使うことが多いですが、私は20〜30%を目安にしています。甘さは控えめになりますが、いちご本来の酸味と香りが前に出て、すっきりとした味わいになります。
作り方の手順
「いちごを洗う→砂糖をまぶして置く→煮る→瓶に詰める」のシンプルな流れ。
- いちごのヘタを取り、流水でよく洗う。傷んでいる部分は丁寧に取り除く。
- 大きいものは半分〜4分の1にカット。小さいものはそのままでOK。
- 鍋にいちごを入れ、砂糖をまぶして30分〜1時間ほど置く(水分が出てくる)。
- 中火で加熱し、沸騰したら弱火にしてアクをこまめにすくい取る。
- 弱火で15〜20分ほど煮て、とろみが出てきたらレモン汁を加える。
- 殺菌済みの保存瓶に熱いうちに詰め、フタをしてすぐに逆さにして冷ます。
煮る時間は鍋の大きさや火加減によって変わります。スプーンですくったときにとろりと落ちる程度が目安です。煮詰めすぎると固くなりすぎるため、様子を見ながら加熱してください。
砂糖の量を減らすと味と保存はどう変わる?
砂糖を少なめにするといちごの酸味と香りが引き立ち、すっきりとした味になる。
市販のジャムは長期保存を前提にしているため、砂糖を多く使います。一方、家庭で作る場合は冷蔵保存が基本なので、砂糖を減らしてもある程度は対応できます。
私が砂糖を少なめにするのは、いちご本来の味を楽しみたいからです。甘いジャムも好きですが、農家として育てたいちごの風味をそのまま感じられる仕上がりのほうが好みに合っています。
砂糖量の違いによる味・保存性の比較
砂糖が多いほど保存性は高くなり、少ないほどいちごの風味が前に出る。
| 砂糖の量(いちご比) | 味の傾向 | 保存の目安(開封後・冷蔵) |
|---|---|---|
| 50〜60%(市販相当) | しっかり甘い・保存性高い | 1ヶ月以上 |
| 30〜40% | 甘さとすっきり感のバランス | 2〜3週間 |
| 20〜30%(私のレシピ) | 甘さ控えめ・いちごの風味強い | 1〜2週間 |
砂糖の割合は、好みや保存したい期間に合わせて調整してみてください。初めて作る場合は30〜40%あたりから試してみると、甘さとすっきり感のバランスが取りやすいと思います。
保存するときの注意点
砂糖を減らすほど保存期間が短くなるため、少量ずつ作るのが向いている。
砂糖20〜30%のジャムは、開封後1〜2週間を目安に使い切るようにしてください。少量ずつこまめに作るほうが、おいしい状態で食べられます。
まとめて作りたい場合は、小分けにして冷凍保存するのも一つの方法です。解凍後は冷蔵で保管し、早めに食べきってください。
保存のポイント:砂糖が少ないジャムは傷みやすいため、必ず殺菌した保存瓶を使い、冷蔵庫で保管する。多めに作った場合は小分けにして冷凍保存もできる。
ジャムづくりでよくある失敗と対策
よくある失敗は「アク取り不足」「火加減が強すぎる」「瓶の殺菌不足」の3つ。
初めてジャムを作ると「色が暗い」「ゆるすぎる」「すぐ傷む」といった失敗をしやすいです。あらかじめ対策を知っておくと、仕上がりが安定します。
色をきれいに仕上げるには
煮始めに出るアクを丁寧に取ることで、きれいな赤色のジャムに仕上がる。
いちごを加熱すると、最初に赤い泡のようなアクが出てきます。これを放置すると、ジャムの色が暗くなったりえぐみが出たりすることがあります。
弱火でゆっくり煮ながら、こまめにアクをすくい取るのがポイントです。強火にすると焦げやすく、色も落ちやすいため注意してください。慌てずに弱火でじっくりと煮るのが、色よく仕上げるコツです。
保存瓶の殺菌方法
瓶の殺菌が不十分だと、ジャムが早く傷む原因になる。
保存瓶は煮沸消毒が基本です。たっぷりのお湯を沸かした鍋に瓶とフタを入れ、5分ほど煮ます。取り出したあとは清潔な布巾の上で自然乾燥させ、水気を取ってから使います。
熱い瓶に熱いジャムを詰め、フタをしてすぐ逆さにする「逆さ殺菌」も有効です。瓶内の空気が押し出されて密閉されやすくなります。
殺菌のポイント:瓶とフタは必ず煮沸消毒してから使う。ジャムを詰めたあとに逆さにして冷ますことで、密閉状態を保ちやすくなる。
冷凍いちごでもジャムは作れる
冷凍いちごは解凍時に水分が出るため、砂糖をまぶして待つ工程を短縮できる。
「旬の時期以外でもジャムを作りたい」「生のいちごが手に入らない」という場合は、冷凍いちごを使う方法もあります。生いちごと同じように仕上げることができます。
冷凍いちごを使うときのポイント
解凍すると大量の水分が出るため、そのまま鍋に入れて煮られる。
冷凍いちごは解凍時に多くの水分が出ます。この水分ごと鍋に入れて加熱できるので、生のいちごで砂糖をまぶして水分を出す待ち時間を省けます。
解凍方法は、冷蔵庫で一晩か常温で2〜3時間が目安です。急ぐときは電子レンジでも対応できますが、加熱しすぎると形が崩れやすいため様子を見ながら使ってください。冷凍いちごを使う場合も、砂糖の量やアク取りのポイントは生いちごと同じです。
農園の冷凍いちごについて
私の農園では、12月〜5月に収穫したいちごを冷凍販売している。
「ジャムを作りたいけれどいちごが手に入らない」という方のために、私の農園では冷凍いちごの販売を行っています。規格外のものも含まれますが、味はほぼ変わりませんので、ジャムづくりや加工用途にご利用いただいています(なお、ジャムの完成品は販売していません)。
ヨーグルトやスムージーのトッピング、お菓子づくりに活用していただいている方もいます。ご興味があれば、ページ下のリンクからご確認ください。
おすすめ資材・商品
ジャムを作るなら保存瓶も大切です。殺菌がしっかりできる密閉瓶を使うと長持ちします。
まとめ
農家のいちごジャムで大切にしていることは、「いちごそのものの風味を生かすこと」です。
規格外のいちごも、傷んだ部分を取り除けば十分においしいジャムになります。砂糖を少なめにすることで、いちご本来の酸味と香りが引き立ち、すっきりとした味わいになります。
初めて作る方は、以下のポイントを意識してみてください。
- 傷んでいる部分をしっかり取り除いてから使う
- 砂糖はいちごの20〜30%から試してみる
- 火加減は弱め、アクをこまめに取る
- 砂糖少なめのジャムは早めに食べきる
- 保存瓶は必ず殺菌してから使う
冬〜春にかけてのいちごの収穫時期は、ジャムづくりにぴったりの季節です。ぜひ、手作りの味を楽しんでみてください。
この記事はAI(Claude)の支援で作成し、農家本人(丹羽)が内容を確認・監修しています。

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